染谷 聡《縁鹿( サイクルジカ)》2008
漆(乾漆技法)、薬莢、 鹿の角、金銀、ほか
橋口五葉《喜多川歌麿「婦人相学十躰浮気之相」復刻 》
大正期 木版、紙 和歌山県立近代美術館蔵
《三楽園・色絵花唐草文鉢》 和歌山県立博物館蔵
宮田彩加《鴛流水図》2015 布、糸
和歌山県立近代美術館蔵
私たちの身の回りは、さまざまな模様で彩られています。古くから人間は、そのいとなみの中で数々の模様を考案してきました。また、自然界へ目を向ければ、個性的な形や色による模様があふれていることにも気づかされます。人がこうした身の回りの造形に触発されて生み出した模様も少なくありません。やがて模様は単なる飾りを超え、そこに祈りが込められたり、呪術的な力を持たせられたりしながら、私たちの生活に寄り添ってきました。
しかし、近代以降の美術の世界では、生活から美術が切り離されて「アート」としての自律性が重要視されたことから、模様の存在は工芸やデザインの分野とともに軽視されがちでした。一方で、模様を美術の一要素として積極的に用いたり、「用の美」を重んじ、その復権を求めたりした作家によって、模様の表現は根強く展開されてきました。そして現代では、伝統的な技法を踏襲しながら模様を生まれ変わらせた作品や、素材の模様に着目した作品、抽象画の領域において限りなく模様に近い表情を見せる作品、模様をひとつの記号や象徴として活用したコンセプチュアルな作品など、個々のジャンルを超えて増殖するかのように、模様の世界は多様な広がりを見せています。
この展覧会では、当館所蔵品を中心に、県立紀伊風土記の丘、県立博物館、市立博物館、県立自然博物館からの協力も得て、色々な角度から私たちの世界をとりまく模様にアプローチし、美術表現としてのその可能性についても再考します。
もようづくし
2020.04.25~2020.06.28
開催終了
9:30〜17:00(入場は16:30まで)
月曜日[ただし、5月4日(月)は開館し、5月7日(木)休館]
一般520(410)円、大学生300(260)円 ( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下、65歳以上、障害者の方、県内に在学中の外国人留学生は無料
※毎月第四土曜日(4月25日、5月23日、6月27日)は「紀陽文化財団の日」として大学生無料
和歌山県立近代美術館
〒640-8137
和歌山市吹上1-4-14
073-436-8690
JR和歌山駅または南海電鉄和歌山市駅から約10分
和歌浦口方面行き「県庁前」下車、徒歩2分
※関西国際空港からリムジンバスでJR和歌山駅まで約40分
和歌山県立近代美術館