上田薫《なま玉子 A》 1975年 油彩・アクリル、キャンバス
群馬県立近代美術館蔵
上田薫《スプーンのジャム A》 1974年 油彩・アクリル、キャンバス
東京都現代美術館蔵
上田薫《ジェリーにスプーン C》 1990年 油彩、キャンバス
埼玉県立近代美術館蔵
上田薫《あわ D》 1979年 油彩・アクリル、キャンバス
上田薫《サラダ E》 2014年 油彩、キャンバス
※臨時休館のため、2020.12.23をもって会期を終了しました。
上田薫(1928〜)は、写真を使って対象を精巧に描き出す画家です。殻からつるりと落ちてくる生玉子がリアルに描かれた彼の作品を、美術の教科書で見たことがある方も多いのではないでしょうか。
東京藝術大学で油彩を学び、主に抽象画を制作していた上田は、1956年に映画ポスターの国際コンクールで国際大賞を受賞したことをきっかけに、グラフィックデザインの世界へ足を踏み入れます。それからしばらく絵画制作からは離れますが、1970年に、対象そのものだけを写実的に描く表現 —本人曰く、制作に行き詰まったときに頭を空っぽにするための「クソリアリズム」— に目覚めます。
以後、上田は、ときにデザインの世界で学んだことを活かしながら、現実以上にリアルに見える作品を次々と生み出してきました。作品のモティーフの多くは、殻が割られた瞬間の生玉子、スプーンから流れ落ちそうなジャム、水の流れや空など、一瞬で姿を変えるものです。時間と空間とを切り取るその鮮烈な描写は、リアリズム絵画のなかに独自の位置を占めるものとして、高く評価されています。
本展では、これまでまとまった形で紹介される機会の少なかった上田薫の歩みを、大学卒業後から現在までの作品約80点とともに紹介します。時間の流れ、空間のひろがり、そして何気ない日常を驚きに変える上田流「クソリアリズム」の世界を、ぜひ心ゆくまでお楽しみください。
上田 薫
2020.11.14~2020.12.23
開催終了
10:00 ~ 17:30 (入場は17:00まで)
月曜日(11月23日及び1月11日は開館)及び12月28日(月)~1月5日(火)
一般1100円(880円)、大高生880円(710円)
※( ) 内は20名以上の団体料金。
※中学生以下、障害者手帳等をご提示の方 (付き添いの方1名を含む) は無料です。
※併せてMOMASコレクション (1階展示室) もご覧いただけます。
埼玉県立近代美術館
〒330-0061
埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
JR京浜東北線北浦和駅西口より徒歩3分(北浦和公園内)
JR東京駅、新宿駅から北浦和駅まで、それぞれ約35分
埼玉県立近代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会