黒田清輝《若い青年の肖像》油彩・布
1891年(明治24年)姫路市立美術館蔵
和田三造《片岡直輝肖像》油彩・布
1917年(大正6年)姫路市立美術館蔵
白瀧幾之助《老母像(2)》油彩・布
1934年頃(昭和9年頃)姫路市立美術館蔵
青山熊治《I氏の像(裏に「風景」)》油彩・板
1913年(大正2年)姫路市立美術館蔵
ジェームズ・アンソール《死せる父》ドライポイント・紙
1888年(明治21年)姫路市立美術館蔵
古来より人は人の姿を描き、あるいは彫像のかたちで表現してきました。王侯貴族が自らの権勢を誇示したり、高名な人物の業績を称揚したり、家族の絆を記念したり、あるいは「お見合い写真」や「遺影」として用いたり、その制作動機は実に様々ですが、多くは現代に生きる私たちにとっても容易に共感できるものではないでしょうか。むしろ、スマートフォンの普及により誰もが手軽に写真で人物像を記録・交換・発表することができるいまは、歴史上もっとも肖像が身近な時代であると言えるかもしれません。
肖像が実用の道具という域を超えた「表現」作品であることの真髄は、それが外見的特徴の再現に留まらず、モデルの人格や精神性といった内面的なものを発露させ、あるいはモデルが「こうありたい」「こう見られたい」と願う姿や、作家自身がモデルに対して抱く「思い」が投影されていることにあります。優れた肖像作家は、この「再現」と「表現」の絶妙なバランスをとりつつ、ときに卓越した洞察力をもってモデル自身ですら気づかなかったその本質を抉り出します。単なる容貌の記録から、その人物の精神性、ひいては「人間とはなにか」という普遍的なテーマにまで昇華されているからこそ、見ず知らずの人物であるにもかかわらず、肖像作品はあらゆる時代・地域の人々の心をとらえて魅了するのでしょう。
本展示では、こうした肖像作品の奥深い魅力をお伝えすることを目的に、姫路市立美術館の所蔵作品のなかから多様な表現・内容の優品を洋の東西を問わず紹介します。
肖像画の魅力
2020.10.29~2020.12.24
開催終了
10:00〜17:00(入館は16:30まで)
月曜日(11月23日は開館)、11月24日(火)
無料
姫路市立美術館 コレクションギャラリー
〒670-0012
兵庫県姫路市本町68-25
姫路駅から徒歩約20分。
神姫バス(7)または(8)乗り場から[3,4,5,61,62,64,81,82,84,86番]乗車約8分、
「姫山公園南・医療センター・美術館前」停留所下車すぐ
姫路市立美術館