重要文化財 肩衝茶入(かたつきちゃいれ) 銘 松屋(まつや)
福州(ふくしゅう)窯系 中国・南宋~元時代 13~14世紀
根津美術館蔵
重要文化財 堅手茶碗(かたでちゃわん) 銘 長崎
朝鮮・朝鮮時代 16~17世紀 根津美術館蔵
重要文化財 鼠志野茶碗(ねずみしのちゃわん) 銘 山の端
美濃 日本・桃山~江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
玉柏手茶入(たまかしわでちゃいれ) 銘 村雨(むらさめ)
瀬戸 日本・桃山~江戸時代 16~17世紀 根津美術館蔵
『大正名器鑑』(初版本)高橋義雄(箒庵)編
日本・大正10年~昭和2年(1921~27) 根津美術館蔵
古くから茶人に大切に扱われてきた茶入(ちゃいれ)。手に取って親しむことで、一層愛着が増す茶碗。茶入と茶碗は、今日の茶の湯で最も人気の高い道具と言えるでしょう。
この二つの道具が重視されている理由に、大正10年(1921)より刊行が始まった『大正名器鑑』(全9編11冊)の存在があります。茶人のための大名物図鑑ともいうべきこの本で、茶入と茶碗(天目を含む)に限り、875点もの伝世物が名物として取り上げられました。銘の由来、大名物(おおめいぶつ)・名物・中興名物などの名物の分類、寸法、付属品、伝来、実見記、写真などさまざまな情報が記された『大正名器鑑』によって、茶入と茶碗は鑑賞ポイントが明確に示されたのです。
『大正名器鑑』を編さんした高橋義雄(1861~1937、号 箒庵)と、同館コレクションの礎を築いた初代・根津嘉一郎(1860~1940、号 青山)は茶の湯を通しての盟友でした。箒庵は自らを嘉一郎の茶の湯の「後援者」と称し、また嘉一郎は箒庵を良きアドバイザーとして全幅の信頼を置きます。最後の第9編が刊行されてのち、昭和4年(1929)に箒庵の慰労会を主唱したのも嘉一郎でした。
刊行100年を記念した本展では、『大正名器鑑』の成立過程を概観しながら、館蔵の茶入と茶碗の名品をご堪能いただきます。また、その刊行関連行事で用いられた作品を通して、編者の高橋箒庵と初代・根津嘉一郎の厚い友情にもスポットを当てます。
企画展 「茶入と茶碗 -『大正名器鑑』の世界-」
2021.05.29~2021.07.11
開催終了
10:00~17:00
(入館は閉館30分前まで)
月曜日
【日時指定予約制】
来館前日までに、美術館公式サイトより日時指定入館券をご購入ください。
(根津倶楽部会員、招待はがきをお持ちで入館無料の方も予約が必要です。)
オンライン日時指定予約
一般 1300円 (1100円)、 学生 1000円 (800円)
※オンライン日時指定予約の定員に空きがある場合のみ、当日券(一般1400円)を受付で販売いたします。
※中学生以下は無料
※( )内は障害者手帳等提示者及び同伴者1名の料金。
根津美術館
東京都港区南青山6-5-1
・地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線 〈表参道〉駅下車 A5出口(階段)より徒歩8分/B4出口(階段とエスカレータ)より徒歩10分/B3出口(エレベータまたはエスカレータ)より徒歩10分
・都バス渋88 渋谷~新橋駅前行 〈南青山6丁目〉駅下車 徒歩5分
根津美術館