野田哲也《日記 1971年5月15日》1971年 木版・スクリーンプリント、紙 和歌山県立近代美術館蔵
前川紘士《風景に同期する》 2011年 映像 個人蔵(那須大輔との協働制作「D50 の時間」2011‒2021 の一部)
森口宏一《動詞の習作・持つ》1975年 ステンレススチール、アルミ 和歌山県立近代美術館蔵
君平《7.62MM7色入》2007年 薬莢、クレヨンパステル 和歌山県立近代美術館蔵
今回の展覧会は、「コミュニケーション」がテーマです。近年ではメールやSNS、オンラインミーティングといった、デジタルベースのコミュニケーションが活発になっていますが、本来コミュニケーションとは、なんらかの情報を伝え、「共有」することを指します。つまり道具のいらない一番シンプルな方法は、ひとところに集まり会って話すこと、つまり「いま・ここ」を共有することです。
「いま・ここ」を共有するという意味では、美術館の展覧会は、まさにコミュニケーションのための場だと言えます。そうは言っても「あまりおしゃべりしてはいけない雰囲気なのに、なぜ?」「ひとりで来ているけれど、なぜ?」と思われるかもしれません。しかし作品とじっくり向き合い、作者の考え方を追体験することは、わたしたち一人ひとりと作品とのコミュニケーションのかたちです。さらには互いに知らない者同士でも、各自の見方や意見がさまざまに重なったり、ズレていることに気づいたりすることで、作品という存在を介してコミュニケーションをすることができます。作られた時代も地域も違う作品が集う場所を共有する――そこにはもはや時間や空間の制限はありません。まさに展覧会はコミュニケーションのための特別な空間です。
では展覧会という場では、どのようなコミュニケーションが生まれているのでしょうか。展覧会に並ぶ作品の作者、展覧会を見る人、そして展覧会を作る美術館の立場も含めたさまざまなコミュニケーションのかたちを、まさに「コミュニケーションの部屋」である展覧会において、考えてみたいと思います。
コミュニケーションの部屋
2021.08.15~2021.10.10
開催終了
9:30〜17:00(入場は16:30まで)
毎週月曜日
一般 520(410)円、大学生 300(260)円
*( )内は 20 名以上の団体料金
* 高校生以下、65 歳以上、障害者、県内に在学中の外国人留学生は無料
和歌山県立近代美術館
〒640-8137
和歌山市吹上1-4-14
JR和歌山駅または南海電鉄和歌山市駅からバスで約10分
和歌浦口方面行き「県庁前」下車、徒歩2分
※関西国際空港からリムジンバスでJR和歌山駅まで約40分
和歌山県立近代美術館