灰釉蓮弁文壺 渥美 平安時代 12世紀 高43.5㎝
奉納面 室町時代 15世紀 高27.3cm
神楽面「ウズメ」 室町―江戸時代 高18.2cm 個人蔵
当館創設者の柳宗悦(1889~1961)は、朝鮮時代に作られた染付秋草文面取壺(瓢形瓶部分)を直に観て今までにない深い感動を得ました。
柳はそれを契機に、自らが観た本質と等価の造形を蒐め、その証拠を日本民藝館において提示していきます。不思議なことにそれらは、時代や産地、手法、用途などが異なりながら同一の美しさで通底していました。柳はその美しさを「不二の美」「無上の美」「美醜なき美」などと呼び、「美の標準」として広く真価を問い続けていったのです。
本展は、原子の息吹を伝える上代の芸術、南北朝や室町時代に描かれた中世絵画、朝鮮時代や江戸時代に生まれた日常の器など、同じ美の源泉から多種多様な姿で顕れた「美の標準」を展観します。
柳は初期の茶人達が見立てた井戸茶碗について、「『井戸』は朝鮮の作というより、茶人たちの直観の創作であった」(『禅美に就いて』、1958年)と述べています。
同じ視点に立てば、柳が発見した「美の標準」に適う作物も、柳の創作と呼ぶことができるのではないでしょうか。
柳の問いかけは今も終わらずに続いているのです。
さらに今回は、かつて『民藝』第195号(日本民藝協会、1969年3月)で特集された、同種の中でも古例として知られる名品「伊勢参詣曼荼羅」(小田原文化財団蔵)なども併せて特別展示します。
美の標準-柳宗悦の眼による創作
2022.01.10~2022.03.20
開催終了
10:00〜17:00(最終入館は16:30まで)
月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
一般 1,200円、大高生 700円、中小生 200円
日本民藝館
〒153-0041
東京都目黒区駒場4丁目3番33号
・京王井の頭線「駒場東大前駅」西口から徒歩7分
・小田急線「東北沢駅」東口から徒歩15分