《釣り床》 1941年 油彩、カンヴァス 東京国立近代美術館蔵
《雨〈牛〉》 1947年 油彩、カンヴァス 山口県立美術館蔵
《雨〈牛〉》 1947年 油彩、カンヴァス 山口県立美術館蔵
太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いたシベリア・シリーズにより、戦後美術史に大きな足跡を残した香月泰男(1911~74)の画業の全容をたどる回顧展を開催いたします。
山口県三隅村(現・長門市)に生まれた香月泰男は、1931年に東京美術学校に入学し、自身のスタイルの模索をはじめました。1942年に応召し、復員した1947年以降は、故郷にとどまって身の回りのありふれたものをモチーフに造形的な挑戦を繰り返しました。1950年代後半に黒色と黄土色の重厚な絵肌に到達した香月は、極限状態で感じた苦痛や郷愁、死者への鎮魂の思いをこめて太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描き、「シベリアの画家」として評価を確立していきました。
シベリア・シリーズは応召から復員までの主題を時系列にならべて紹介するのが一般的であり、そこではシベリア・シリーズのもつ戦争と抑留の記念碑としての側面が強調されてきたといえるでしょう。しかし、実際の制作の順序は、主題の時系列とはおおきく異なっています。
本展では、シベリア・シリーズを他の作品とあわせて制作順に展示します。この構成は、一人の画家が戦争のもたらした過酷な体験と向き合い、考え、描き続けた道のりを浮かびあがらせるでしょう。戦争が遠い歴史となり、その肌触りが失われつつある今、自身の「一生のど真中」に戦争があり、その体験を個の視点から二十年以上にわたって描き続けた、「シベリアの画家」香月泰男の創作の軌跡にあらためて迫ります。
※会期中展示替えがございます。
【前期】2月6日(日)~3月6日(日)
【後期】3月8日(火)~3月27日(日)
生誕110年 香月泰男展
2022.02.06~2022.03.27
開催終了
10:00~18:00
※入館は閉館の30分前まで
月曜日(ただし、3月21日(月・祝)は開館、3月22日(火)は休館)
一般 1,000円、高校・大学生および65~74歳 800円
中学生以下および75歳以上無料(その他各種割引制度あり)
※一般以外の方(無料、割引対象者)は年齢等の確認できるものを受付にてご提示ください。
※リピーター割引:展示替があるため、前期をご観覧いただいた方は、展示替後の観覧料を割り引きます。初回の観覧料から300円割引
練馬区立美術館
〒176-0021
東京都練馬区貫井1-36-16
西武池袋線(東京メトロ有楽町線・副都心線直通 )
中村橋駅下車徒歩3分
練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)