青森県八戸市立湊中学校養護学級生徒(指導:坂本小九郎)『虹の上をとぶ船・総集編(2)』より
《天馬と牛と鳥が夜空をかけていく》1976年、木版、五所川原市教育委員会蔵(写真提供:青森県立美術館)
*本作は、宮崎駿監督映画「魔女の宅急便」の劇中画にインスピレーションを与えました。
上野誠『ヒロシマ三部作』より《男》1959年、木凹版、510×320mm、町田市立国際版画美術館蔵
*上野誠は被爆者の心と身体の傷を描くことをライフワークにしました。
滝平二郎『裸の王様』より、1951年、木版・謄写版、352×253mm、町田市立国際版画美術館蔵
ⓒJIRO TAKIDAIRA OFFICE Inc.
*滝平二郎が初めて手がけた絵本。多くの被害を出した戦争指導者を風刺する意図で作られました。
~工場で、田んぼで、教室で みんな、かつては版画家だった~
子供の頃に版画を作ったことはありますか?
日本の多くの学校で版画を学ぶのは、版画を普及した戦後の文化運動と深い関りがあります。
本展は戦後日本で展開した2つの民衆版画運動を紹介します。1つは社会運動を版画で伝え、アマチュアに版画を広めた「戦後版画運動」(1947~1950年代後半)。もう1つは戦後版画運動から派生し、全国の小中学校の教員が学校教育のなかへ版画を広めた「教育版画運動」(1951~1990年代後半)です。
これらの運動の原点には1947年に日本で紹介された中国木刻(木版画)の存在があります。現実を切り取った中国木刻のリアリズムは、戦争の傷や苦しい生活に悩む当時の人々に大きなインパクトを与えたのです。
2つの民衆版画運動のなかで作られた作品には平和への願い、社会へのまなざし、工場や農家の仕事、田舎から都会まで様々な土地での生活が実感をもって刻まれています。約400点の豊富な作品と資料を通して、これまであまり知られることのなかった版画史の一側面に光を当てることで、戦後の開発と発展のかたわらにある「もう1つの日本」が浮かびあがってくるでしょう。
彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動
2022.04.23~2022.07.03
開催終了
平日 10:00~17:00 / 土・日・祝日 10:00~17:30
※入館は閉館30分前まで
※状況により会期等を変更する場合があります。ご来場前に美術館公式サイト・SNSでご確認下さい。
月曜日
一般900(700)円、大・高生450(350)円、小・中学生以下無料
※( )内は 20 名以上の団体料金
※展覧会初日【4月23日(土)】は入場無料
※シルバーデー【毎月第4水曜日(4月27日(水)、5月25日(水)、6月22日(水))】は65歳以上の方は入場無料
町田市立国際版画美術館
〒194-0013
東京都町田市原町田4-28-1
JR横浜線・小田急線町田駅下車徒歩15分
町田市立国際版画美術館