アンドレ・ボーシャン《川辺の花瓶の花》1946年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)
藤田龍児《デッカイ家》1986年 星野画廊蔵
アンドレ・ボーシャン《窓》1944年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)
アンドレ・ボーシャンと藤田龍児-。
活躍した時代も地域も異なる2人の画家ですが、その作品はともに明るい色彩にあふれ、花が咲き乱れる、牧歌的で楽園を思わせる光景が描かれています。しかし、彼らは恵まれた幸福な環境で作品を描いていたのではありません。
アンドレ・ボーシャン(1873~1958)は第一次世界大戦に従軍しましたが、除隊後に故郷へ戻ると、経営していた苗木農園は破産し、妻はその心労から精神を病んでいました。彼が本格的に絵を描き始めたのはこの頃のことです。それまで絵を学んだことはなく、しかもすでに46歳になっていました。
一方、藤田龍児(1928~2002)は若い頃から画家として活動していましたが、50歳を目前にして2度の脳血栓をおこし、右半身不随となってしまいます。一時は絵を諦めかけますが、左手に絵筆を持ち替え、53歳で再起を果たしました。それまでは抽象的な作品を描いていた藤田が、牧歌的な作品を描き始めたのはこの時からです。
絶望の淵から2人を救ったのは絵を描くことでした。
彼らの作品が魅力的なのは、絵の力を、アートの力を彼らが信じて疑わなかったからではないか、と思わずにはいられません。
人と自然が調和して暮らす世界への憧憬に満ちた彼らの作品は、色や形を愛で、描かれた世界に浸るという、絵を見ることの喜びを思い起こさせてくれます。
じわじわ効いてきて、しみじみ沁みる、両者の代表作を含む計116点を展示します。
牧歌礼讃/楽園憧憬
アンドレ・ボーシャン+藤田龍児
2022.04.16~2022.07.10
開催終了
10:00~18:00
金曜日 10:00~20:00
※入館は閉館の30分前まで
月曜日(5/2、7/4は開館)
一般 1,300円 高校・大学生 1,100円 中学生以下無料
※障がい者手帳等持参の方は 100 円引き(介添者 1 名は無料)
※最新情報・チケット購入方法は美術館公式サイトでご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催内容が変更になる場合があります。
東京ステーションギャラリー
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東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]