李禹煥、鎌倉にて、2022年 Photo© Lee Ufan, photo: Shu Nakagawa
《関係項―棲処(B)》 2017年 石 作家蔵
展示風景:「ル・コルビュジエの中の李禹煥 記憶の彼方に」展、ラ・トゥーレット修道院、エヴー、フランス、2017年
© Foundation Le Corbusier, photo: Jean-Philippe Simard
《線より》 1977年 岩絵具、膠/カンヴァス 182 × 227 cm 東京国立近代美術館
国立新美術館では開館15周年を記念して、国際的にも大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する美術家、李禹煥(リ・ウファン、1936年生)の東京では初めてとなる大規模な回顧展を開催します。
東洋と西洋のさまざまな思想や文学を貪欲に吸収した李は、1960年代から現代美術に関心を深め、60年代後半に入って本格的に制作を開始しました。視覚の不確かさを乗り越えようとした李は、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」と呼ばれる動向を牽引しました。また、すべては相互関係のもとにあるという世界観を、視覚芸術だけでなく、著述においても展開しました。
李の作品は、芸術をイメージや主題、意味の世界から解放し、ものともの、ものと人との関係を問いかけます。それは、世界のすべてが共時的に存在し、相互に関連しあっていることの証なのです。奇しくも私たちは、新型コロナウィルスの脅威に晒され、人間中心主義の世界観に変更を迫られています。李の思想と実践は、未曾有の危機を脱するための啓示に満ちた導きでもあります。
本展では、「もの派」にいたる前の視覚の問題を問う初期作品から、彫刻の概念を変えた<関係項>シリーズ、そして、静謐なリズムを奏でる精神性の高い絵画など、代表作が一堂に会します。また、李の創造の軌跡をたどる過去の作品とともに、新たな境地を示す新作も出品される予定です。
国立新美術館開館15周年記念 李禹煥
2022.08.10~2022.11.07
開催終了
10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20時まで
※入場は閉館の30分前まで
毎週火曜日
一般 1700円、大学生 1200円、高校生800円
※中学生以下は無料。ただし入り口で学生証のご提示をいただく場合がございます。
※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料。
国立新美術館
〒106-8558
東京都港区六本木7-22-2
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