「みえないかかわり」
イズマイル・バリー展

銀座駅 | 銀座メゾンエルメス フォーラム
開催期間:2019.10.18~2020.01.13 開催終了

イズマイル・バリーは2000年代の終わりから活動をはじめ、最小限の状況設定と身ぶりに基づく一連の作品を制作してきました。用いる素材の本質から事物をとらえてゆく静謐な作品は、ある種の魔術を呼び起こすような啓示に満ちた仕草を扱っているようにも感じられます。例えば、揉みしだかれてゆく雑誌のページ。くしゃくしゃになった紙からは、インクが手にうつり、印刷された画像が少しずつ消えていく様子。あるいは、目に見えないように張られた糸。その上を水滴がつたわるときのたわみによってだけ、糸はかろうじて形を現し、空間には徐々に水たまりを形成してゆく様子。また、グラスに入れたインクの表面やレンズの前に設置された紙片の白の陰影から街の風景を見ること、など。バリーは、これらの出来事の予期しないアクシデントやディテール、瞬間的な変化などに細やかな注意を向け、厳密な手順によって作品を作ってゆきます。それらは常に直感的な試みから湧き上がり、時間枠が拡張されたある異なる地平の空間へと導くのです。

本展「みえないかかわり」において、銀座メゾンエルメスの建築は、出現しては消滅する外の世界をとらえる一種の光学装置へと変貌を遂げるでしょう。インスタレーションは、新作の映像を中心に、オブジェ、ドローイングなど、異なる形式の作品で構成されます。いずれの作品も光そのものをどのように知覚するのかということを、視覚を抽象化した装置の内外から問いかけるような試みです。精緻な論理に基づく実験と観察によって生じた偶発的な光と陰の戯れは、可視と不可視の間で揺れ動く不安定な関わりを露わにします。バリーの知覚実験は、事物の表層に隠された言語に絶する不安と、不明瞭な世界と適切な距離を保ちながらどう関わっていくかを問いかけます。

展覧会名

「みえないかかわり」イズマイル・バリー展
Invisible Concern by Ismaïl Bahri

会期

2019.10.18~2020.01.13 開催終了

開館時間

月~土 11:00~20:00(最終入場は19:30まで)
日 11:00~19:00(最終入場は18:30まで)
※12月の一部期間は開館時間が異なります。(11:00~16:30・最終入場16:00)

休館日

不定休
※年末年始はエルメス銀座店の営業時間に準じます。
(詳しくはエルメスのウェブサイトでお知らせします。)

入場料

無料

会場

銀座メゾンエルメス フォーラム

住所

東京都中央区銀座5‐4‐1 8階

お問い合わせ

03-3569-3300

主催

エルメス財団

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