岡村桂三郎《百眼の魚18-1》2018年 平塚市美術館寄託
田澤茂《日本人の神々》2013年 平塚市美術館蔵
平野杏子《善財南へ行く》1974年 平塚市美術館蔵
山本直彰《Door S-2》1995年 平塚市美術館寄託
「異界」とは人々の日常世界や生活世界の外側 にあると考えられている世界をさす言葉です。「異界」といったとき、あの世や神仏の住む世 界を想像するかもしれません。そうした世界は、 日本の美術においても古くから絵画化されてき ました。妖怪や鬼の登場する絵巻物をはじめ、 桃源郷や仙界を理想の世界として描いた作品も あります。
自分の生活圏から離れ、時間的・空間的な広が りをもつ言葉としてとらえると、山の中や海の 中、遠い海外、あるいは現在とは隔たる過去や 未来も異界ということができるでしょう。人間の内部に封じ込められた意識や人間のもつ 闇も同様です。近代に入ると人間の内面を描く 表現主義やシュルレアリスムが登場してきま す。これらは人間の内なる異界を描いたものと いえます。
また、異界は相対的なことばでもあります。そ の境い目はあいまいで、日常世界に浸食してき たり、ふとしたことで異界に踏み入ってしまう ような場所となっています。
本展では、「異界」をキーワードにして所蔵作 品を紹介します。生と死や意識と無意識が重な りあう「境界」と、想像上の生き物や風景、あ るいは神仏や仙界を描いた「異界の風景」とい う観点から見ていきます。常ならざるものや人 ならざるものの表現をお楽しみください。
秋の所蔵品展―異界への扉
2019.10.05~2019.12.08
開催終了
9:30 ~ 17:00( 入場は 16:30 まで )
月曜日 (ただし、10月14日と11月4日は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)
一般 200(140)円、高大生 100(70)円
※( )内は 20 名以上の団体料金
※中学生以下無料。毎週土曜日の高校生は無料
※各種障がい者手帳の交付をうけた方と付添1名は無料
※65歳以上で、平塚市民の方は無料、市外在住者は団体料金
平塚市美術館
〒254-0073
神奈川県平塚市西八幡1丁目3−3
0463-35-2111
JR東海道線平塚駅(東口改札)北口よりバス、または西口から徒歩約20分。
平塚市美術館