アルフォンス・ミュシャ ポスター《煙草巻紙 ジョブ》1898年 三浦コレクション、川崎市市民ミュージアム蔵
アルフォンス・ミュシャ ポスター《サラ・ベルナール主演「ジスモンダ」》1895年 三浦コレクション、川崎市市民ミュージアム蔵
アルフォンス・ミュシャ ポスター《ムーズ・ビール》1897年 三浦コレクション、川崎市市民ミュージアム蔵
エミール・オルリク《ポトロフスキー手袋店》1897年 宇都宮美術館蔵
エミール・オルリク《東京の通り》1900年頃 宮城県美術館蔵
この展覧会は、アルフォンス・ミュシャ(Alfons Mucha 1860–1939)とエミール・オルリク(Emil Orlik 1870 –1932)というチェコ出身のふたりのアーティストに光をあて、ジャポニスム(日本趣味)の時代に出発した彼らの作品と、彼らから影響を受けた日本の作家たち、さらにはオルリクに木版画を学んだドイツ語圏の作家たちを取りあげ、グラフィックを舞台に展開した東西の影響関係を観察しようとするものです。
ミュシャは、ジャポニスムに湧くパリで、女優サラ・ベルナールを描いた《ジスモンダ》に始まる一連のポスターで名を馳せました。その評判はすぐさま日本に伝わり、ミュシャの女性像は1900年創刊の雑誌『明星』で紹介されて白馬会を中心とする日本の画家たちー藤島武二や中沢弘光らに絶大な影響を与えました。一方のオルリクは、プラハに生まれ、ベルリンやウィーンでジャポニスムの潮流にふれて日本への憧れを募らせました。
そして1900 年から翌年にかけて来日、浮世絵版画の彫りや摺りを学び、帰国して多くの後進を木版制作に駆り立てます。また、滞日期に手がけた石版画が、白馬会展に出品されて雑誌『方寸』に集った作家たちを大いに刺激したことも知られています。 こうした1900年前後の影響関係は、グラフィックを介したジャポニスムとその還流と捉えることができます。本展ではミュシャとオルリクに加え、背景としてのチェコのジャポニスムを紹介するほか、ウィーン分離派の周辺作家やヴォイチェフ・プライシグ、タヴィーク=フランティシェク・シモン、ヴァルター・クレム、カール・ティーマンらの作品を、雑誌『明星』や『方寸』周辺の作品と合わせ、グラフィックならではの、即時的で双方向な東西の芸術交流のさまを検証します。
※会期中大幅な展示替えを行います
ミュシャと日本、日本とオルリク
2019.09.07~2019.10.20
開催終了
10:00~18:00
※金、土曜日は20:00まで
9月30日、10月7日
一般1200円、大学生700円、高校生以下無料
千葉市美術館
千葉市中央区中央3-10-8
043-221-2311
JR千葉駅下車(東口)徒歩約15分またはバス乗り場7番より「中央3丁目」下車徒歩3分、バス乗り場16番C-busにて「千葉市美術館前」下車/京成千葉中央駅下車(東口)徒歩約10分
千葉市美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会