画家が彫刻を作る、とは特別なことでしょうか?
歴史を遡れば、ルネッサンス期には有名なレオナルド・ダ・ヴィンチやその師のアンドレア・デル・ヴェロッキオら、多くの「画家であり、彫刻家でもある芸術家」たちの名前が、「芸術家列伝」(ジョルジョ・ヴァザーリ著)に記されています。
とはいえ、その後は分業化が進みます。彫刻家が常にデッサンをし、時に絵や版画を残したのに比べると、画家が彫刻を本格的に制作した例は大変少なくなります。
近代になると、印象派の幾人かの画家たちがすぐれた彫刻を制作したことは知られています。エドガー・ドガ、オーギュスト・ルノワール、そして同時代のオノレ・ドーミエらが熱心に彫刻を制作しています。彼らは自分の絵の中にいる人物たちを立体にして現したのでした。ポール・ゴーギャンもタヒチの民芸品に学んだ注目すべき彫刻を制作しました。
そして20世紀、前衛画家たちは、絵の中で行いつつある様々な造形の実験を、3D化しようと試み始めます。
自由に描きだせる絵の世界から踏み出して、重力ある空間のなか、材料を選び、筆を道具に持ち替えて、画家はなぜ彫刻を作るのか。それらは彼らの絵とどのような関係を結んでいるのか。それらは単なる素人の彫刻なのか、それとも?
本展では描くなかから生み出された、20世紀前衛画家たちの彫刻制作の一端をご覧いただきます。画家の絵と彫刻を並べて見るとき、彼らの意図が伝わってくるはずです。
描く、そして現れる―画家が彫刻を作るとき
2019.09.14~2019.12.08
開催終了
9:30〜17:00(入館は16:30 まで)
月曜※ただし9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館
9月17日、9月24日、10月15日、11月5日
一般1,300円 学生・65歳以上1,100円
小中学生・高校生600円
DIC川村記念美術館
千葉県佐倉市坂戸631
050-5541-8600(ハローダイヤル 受付時間8:00-22:00)
JR佐倉駅または京成佐倉駅から無料送迎バスで20分/30分
DIC株式会社