石川九楊
《もしもおれが死んだら世界は和解してくれと書いた詩人が逝った —追悼 吉本隆明》
2012 作家蔵
戸谷成雄《視線体 — 散》2019
photo:武藤滋生
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[参考図版]
草間彌生《無限の網》1953 東京都現代美術館蔵
磯辺行久《「天空に浮かぶ信濃川の航跡」のためのドローイング》2002 作家蔵
山部泰司《横断流水図》2014 作家蔵
本展は、線を核とするさまざまな表現を、現代におけるドローイングと捉え、その可能性をいくつかの文脈から再考する試みです。 デジタル化のすすむ今日、手を介したドローイングの孕む意義は逆に増大していると言えるでしょう。 それは、完成した作品に至る準備段階のものというよりも、常に変化していく過程にある、ひとや社会のありようそのものを示すものだからです。
この展覧会では、イメージだけでなく手がきの言葉も含めて、ドローイングとして捉え、両者の関係を探ります。また、紙の上にかく方法は、揺らぎ、ときに途絶え、そして飛翔する思考や感覚の展開を克明 に記すものですが、このような平面の上で拡がる線だけでなく、支持体の内部にまで刻まれるものや、空 間のなかで構成される線も視野に入れ、空間へのまなざしという観点から、ドローイングの実践を紹介します。更に、現実を超える想像力の中で、画家たちを捉えて離さなかった、流動的な水をめぐるヴィジョン(想像力による現実を超えるイメージ)というものが、ドローイングの主題として取り上げられてきた点に注目します。
最も根源的でシンプルな表現であるドローイングは、複雑化した現代において、涯しない可能性を秘めるものでしょう。
※会期変更となりました。詳しい情報は美術館公式サイトをご確認ください。
ドローイングの可能性
2020.03.31~2020.06.14
開催終了
10:00ー18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
月曜日
一般 1,200 円/ 大学生・専門学校生・65 歳以上 800 円/中高生 600 円/ 小学生以下無料
東京都現代美術館 企画展示室 3F
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