41 アームチェア パイミオ/AAF
41 アームチェア パイミオに座るアイノ、多重露光写真/1930’s/AAF
スツール 60/撮影:Martti Kapanen,1980’s/AAF
オット・コルホネンの家具製作工場/
撮影:Mauno Mannelin,1936/AAF
アルテック店舗/1939/AAF
※当面の間、日時指定の予約制で5月28日から再開。詳しい情報は、館公式サイトをご確認ください。
アイノ・マルシオ(後のアイノ・アアルト1894~1949)が、まだ無名の建築家アルヴァ・アアルト(1898~1976)の事務所を訪ねたのは1924年のことでした。 この時から、アイノとアルヴァのパートナー関係が始まります。彼女が加わったことで、アルヴァの建築は使いやすく心地よいという、「暮らしを大切にする視線」 が加わり、空間に柔らかさや優しさが生まれたと言われています。このことは、 彼が世界的建築家の道へと歩む上で極めて重要なことであったといっても過言ではありません。
モダニズムへと向かう流れのなかでアアルトの建築が、ヒューマニズムと自然主義という文脈を有していたことの背景には、妻・アイノの存在が大きかったのは確かでしょう。2人の作品は1920年代後半になると国際的に起こったモダニズムデザインの潮流の影響を受けます。モダニズムのシンプルで実用的、 コストの合理性を考えた量産化という考え方は、二人の考えとも合致しました。 彼らは、フィンランドの環境特性に基づき、自然のモチーフを取り入れたデザイ ンでモダニズムに対する独自の回答を探究していくことになります。そして、「パイミオ サナトリウム」(1933)、「ヴィープリの図書館」(1935)などコンペで実現した作品は、2人を一躍世界の建築家の舞台へと押し上げ、これらの建築のためにデザインされた家具は、後のアルテック設立の道筋をつけることになります。
2人の役割については、建築をアルヴァ、インテリアや家具を主にアイノが担当したと言われていますが、重要なことは、役割を切り分けることではなく、生活革命ともいえるビジョンを共有したという事実です。2人は互いの才能を認めあい、影響しあい、補完しあいながら対等のパートナーとして作品をつくり続けた のだといえましょう。
本会場では、その中でもアアルトの曲げ木の技術に焦点を当てて紹介します。 世界中で愛されるアアルトの椅子。無垢材を L 字型に曲げる「L – レッグ」と、 積層合板による「ラメラ曲げ木」の開発について、成形から商品化までの道のりを辿ります。そして、このアアルト家具の販売と輸出管理だけではなく、展示会 や啓蒙活動によってモダニズム文化を促進することを目的として設立されたアルテックの歩みを紹介します。
アイノとアルヴァ 二人のアアルト 建築・デザイン・生活革命
木材曲げ加工の技術革新と家具デザイン
2020.03.28~2020.08.30
開催終了
9:30〜16:30(入場は16:00まで)
月曜日(祝日の場合は翌日)
一般 500円、大高生 300円、中学生以下無料、65歳以上の方 200円
(常設展観覧料を含む)
※当面の間、事前予約制(「チケットを購入する」から予約できます)
竹中大工道具館1Fホール
〒651-0056 神戸市中央区熊内町7-5-1
078-242-0216
・山陽新幹線「新神戸駅」中央改札口より徒歩約3分
・神戸市営地下鉄「新神戸駅」北出口1または北出口2より徒歩約3分
・シティ・ループ「12新神戸駅前(2F)」下車徒歩約3分
・神戸市バス2系統・18系統「熊内6丁目」下車徒歩約2分
ギャラリーエークワッド