Be-dan
2019.6.10
21年ぶりの来日が決まった、ロシアのカリスマ振付家ボリス・エイフマン率いる世界屈指のバレエ・カンパニー、≪エイフマン・バレエ≫。7/18(木)、7/19(金)に上野・東京文化会館でアートファンにもおなじみの彫刻家、オーギュスト・ロダンの愛と創作をめぐる葛藤を描いた物語「ロダン~魂を捧げた幻想」が上演されます。そこで、今回は「Be-dan」特別編として、東京公演を主催する株式会社ジャパン・アーツの公演担当、川田真梨子さんにお話を伺い、エイフマン・バレエの面白さや上演作品の魅力についてたっぷりとお聞きしました!
【第1回:21年ぶりの来日公演「ロダン~魂を捧げた幻想」の魅力や見どころは?】
―公式HPで今回の公演の動画を拝見しましたが、エイフマン・バレエの力強さや迫力に圧倒されました。
ありがとうございます。そうなんです!長身で美男美女揃いのロシア人ダンサーが手足を一杯に使って魅せるアクロバティックな振付や、ステージ上でロダンの彫刻が作り上げられていく場面などはまさに圧巻だと思います。鍛え上げられた肉体美は観ていてもう眼福です!
―今回の「ロダン~魂を捧げた幻想」はどんなストーリーなんですか?
本作は、彫刻家、オーギュスト・ロダンとその愛弟子で恋人でもあったカミーユ・クローデルを巡る愛と苦悩が描かれた実話ベースの心理劇なんです。
まず、初老になったロダンが精神病院に入っているクローデルを訪れるシーンで幕が開きます。そこからの回想としてロダンのアトリエに若いクローデルが弟子として入門してくる本編が始まります。彼らが最初に出会うシーンでは、ドビュッシーの「月の光」が使われていて非常にロマンチックですよ。
でも、そこからがエイフマン・バレエの真骨頂で、ロダンの内縁の妻、ローズも含めた三角関係が始まると、ロダン、クローデル、ローズの三者三様の愛と苦悩がじっくりと描かれていきます。そして最後には・・・と、これ以上はぜひ劇場でチェックしてみてください!公式HPにもあらすじを掲載しましたので、ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。
―ところで、今回の「ロダン~魂を捧げた幻想」はエイフマン・バレエにとって21年ぶりの来日公演になるんですね?
そうなんです。レニングラード・バレエ・シアターという名前で1998年に来日したのが日本での最後の公演でした。そこから、バレエ団の名前に振付家ボリス・エイフマン自身の名前を冠した「エイフマン・バレエ」という名前が定着したわけですが、この20年でバレエに関する表現技術も飛躍的に進歩を遂げているんです。
エイフマン・バレエも多数の新作を上演し、世界中で公演を行い進化し続けてきました。この20年間は、エイフマンさんが伝統的なロシア・バレエの枠を超え、「エイフマン・バレエ」として世界に唯一無二のアイデンティティやオリジナリティをしっかり確立してきた期間でした。ロシアの伝統的な古典バレエの要素、世界のモダンバレエの要素、人間の感情や心の内側、エネルギーなど全てが込められているのがエイフマン・バレエなんです。
だから、日本にもう一度帰ってくるにあたっては、「20年前とは全く違う新しいバレエ団として来日します」とエイフマンさんも力強く宣言されています。
最先端の「心理バレエ」を引っさげて、21年ぶりに来日公演を果たすエイフマン・バレエ。その衝撃は、冒頭で紹介した動画を少しでも見ていただくとわかるはず。世界最高峰の肉体美と長い手足を縦横無尽に動かしたスケール感の大きい演技は必見です!
つづく第2回では、エイフマン・バレエでは何を目指しているのか、「ロダン~魂を捧げた幻想」でボリス・エイフマンが何を描こうとしているのか、さらに掘り下げてお聞きしていきます!
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21年ぶり待望の来日!世界に衝撃をあたえ続ける
エイフマン・バレエ 日本公演 2019
7.18 [木] 19:00 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
7.19 [金] 19:00 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
7.20 [土] 17:00 「アンナ・カレーニナ」
7.21 [日] 14:00 「アンナ・カレーニナ」
会場:東京文化会館
(問)ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212
【全国公演】
7.13 [土] 15:00 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 「アンナ・カレーニナ」
(問)びわ湖ホールチケットセンター 077-523-7136
7.15 [月・祝] 15:00 グランシップ(静岡)中ホール・大地 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
(問)(公財)静岡県文化財団 054-289-9000
⇒ エイフマン・バレエ 日本公演2019 特設サイトはこちらから
(第2回に続く)
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Writer | 齋藤 久嗣
脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。
首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive)
Editor | 松栄 美海
OBIKAKE編集部編集長。学生時代は美大で彫刻を学ぶ。IT企業を経て昨年9月よりWEB担当として入社。
OBIKAKEの立ち上げを担当。とにかくこの仕事が好き。編集や撮影について勉強中。