展覧会レポート
2020.7.2
異なるジャンルの巨匠に焦点を当てた初の展覧会
2人に連なる西洋の近現代絵画も紹介!
ポーラ美術館で、「モネとマティス―もうひとつの楽園」が開催中です。
ⒸKen KATO
モネとマティスにとって「楽園」は、欠くことのできない絵画の主題であると同時に、制作の場であり、生きる環境でもありました。
本展では、ふたりの芸術家がいかにしてそれぞれの「楽園」を創りあげ、作品へと昇華させていったのかを紹介する展覧会です。
新型コロナウイルス感染症の関係で、プレス内覧会はWEB上で行われました。今回は、WEB内覧会で担当学芸員さんが紹介されていた展覧会の見どころを、ダイジェスト版でご紹介します!
モネ生誕180年! 「睡蓮」連作7点を展示
ⒸKen KATO
2020年はクロード・モネの生誕180年と節目の年です。印象派で知られるモネは、フランス各地を旅し、その土地ならではの景観を描いた風景画を得意としていました。
40代から移住したジヴェルニーの敷地に造りあげた庭は、モネにとって、描きたいモティーフを理想的な状態にコントロールできる「楽園」でした。モネはここで86歳で亡くなるまで、自邸の庭の池に浮かぶ睡蓮を描くことに没頭しました。
本展では、「睡蓮」の連作を初期作品から晩年のものまで、7点を展示。日本各地の美術館に所蔵されている「睡蓮」がポーラ美術館集結! 贅沢な空間です♪
クロード・モネ《睡蓮》1907年 油彩/カンヴァス 90.0×93.0cm アサヒビール大山崎山荘美術館蔵
室内画や人物画を得意としたマティス
「私が一番ひかれるのは静物でも風景でもなくて、人物像である」と語ったマティス。生涯を通し、人物画や人物のいる室内画を数多く描いています。
ⒸKen KATO
マティスの気分まで明るくなるこちらの色彩は、フォーヴィスム(野獣派)と呼ばれています。
1905年、固有の色にこだわらない強烈な色彩と、大胆な筆致を用いた作品が美術界に衝撃を与え、批評家によって「フォーヴ(野獣)」と名付けられたのがきっかけです。アンリ・マティス《リュート》1943年 油彩/カンヴァス 60.0×81.5cm ポーラ美術館蔵
モネとマティスの名品が観られる貴重な機会です。お見逃しなく!
ポーラ美術館の印象派コレクションを追加展示
本展では、当初海外10か所から20点、国内21か所から約30点の作品を借用し、計90点のモネとマティス作品を紹介する予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、海外借用作品20点の展示を延期することに・・・。
そこで同館は展示内容を急きょ変更! 国内借用作品約30点を含むモネとマティスの作品約70点に、同館コレクションのなかから関連作家の作品約20点を加え、約90点を紹介することとなりました。
ⒸKen KATO
キュビスムやカンディンスキーの抽象絵画を経て、ベン・ニコルソンやブリジット・ライリー、マルコ・デル・レなどの近現代絵画を通じて、モネとマティスに連なる西洋の近現代絵画が紹介されています。
風景と室内を主題としたふたりの画家に共通する作品制作の背景に迫る本展。
同時代に活躍していた画家たちとモネとマティスの作品をあわせて観ることで、 2人が生きた時代の芸術がより深く理解できる展示構成になっていました!
information
展覧会名:モネとマティス―もうひとつの楽園
会場名:ポーラ美術館
会期:2020.06.01〜11.03
開館時間:9:00~17:00(※最終入館は16:30)
休館日:会期中無休(展示替えによる臨時休館あり)
※作品展示作業のため、 9月1日(火)~9月3日(木)まで臨時休館いたします。
料金:大人 1,800円、65歳以上 1,600円、大高生 1,300円、中学生以下無料
展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/9269/
公式サイト:https://www.polamuseum.or.jp/sp/monet_matisse/
※感染症対策が実施されています。来館前に必ず美術館公式サイトをご確認ください。
OBIKAKE gifts
本展の招待券を5組10名様にプレゼント!
〆切は7月22日23:59まで!
応募フォーム(終了いたしました)
チケットと合わせて抽選で、2名様にこちらのマスクフォルダーもプレゼント♪
たくさんのご応募お待ちしております!
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Editor | 静居 絵里菜
【編集後記】モネの「睡蓮」を生で見に行きたいです!