展覧会レポート

日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵
古代から近世、日本建築の成り立ち

2021.1.12

国宝・重要文化財の木造建造物の模型を展示

日本の建築の伝統的な技と知恵を紹介します

 

東京国立博物館 表慶館で、「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵 古代から近世、日本建築の成り立ち」が開催中です。

 

日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵 古代から近世、日本建築の成り立ち 展示風景より
(左から)「一乗寺三重塔 1/10模型」「法隆寺五重塔 1/10模型」「石山寺多宝塔 1/10模型」

 

東京国立博物館国立科学博物館(*)国立近現代建築資料館の3会場合同で開催されている展覧会です。

*国立科学博物館の展示は、1/11で終了。

 

本展では、文化庁が「模造事業」としてこれまで製作を行ってきた国宝・重要文化財の木造建造物の模型の展示。古代から近世までの日本建築の成り立ちを紹介します。

 

建築模型で学べる!日本建築の成り立ち

 

東福寺三門 1/10模型 1979年 国立歴史民俗博物館蔵

 

日本の建築には、自然素材の中で加工性に優れ、かつ強度が高く、日本の四季に合わせた木材が活用されています。

それらの素材を組み上げる木組などの大工技術や、ひのきの皮を重ねて屋根をおおう檜皮葺(ひわだぶき)など、伝統的な建築技術を模型を通じて鑑賞することができます。

 

大仙院本堂 1/10模型 1969年 国立歴史民俗博物館蔵

 

《大仙院本堂 1/10模型》の中をよーく見てみると、有名な障屏画(*)も再現されています。こちらは写真を印画紙に焼き付けて再現されたそう!

 

外観はもちろん、内観も細かく再現されています。こちらもぜひ、注目してみてください。

 

*障屏画(しょうびょうが):障子や屏風など描かれた絵のこと。

 

焼失した首里城正殿の模型も展示

 

平成館ガイダンスホールにて、2019年に焼失してしまった首里城正殿の1/10模型も展示されています。沖縄県外への出品は初めてことです。

 

首里城正殿 1/10模型 1953年 沖縄県立博物館・美術館蔵

 

首里城正殿は、尚敬王時代の1729年に建ており、琉球古建築の中ではもっとも大きな建造物です。

 

本作は、戦前の修理に関わった知念朝栄氏が、太平洋戦争で失われた首里城正殿や沖縄の建築文化を後世に伝えるために製作されました。

 

本展示では、首里城復興に関するPR動画なども展示されています。本展を通して、首里城復興に思いをはせてみては?

 

 

伝統的な日本建築の技術を紹介する本展。

それぞれ会場の展示は、テーマや会期が異なります。詳しくは公式サイトをご確認ください。

 

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展覧会名

日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵
古代から近世、日本建築の成り立ち

会期

2020.12.24~2021.02.21 開催終了

会場

東京国立博物館 表慶館

※本展覧会は【事前予約制】です。詳しいチケット情報は公式サイトをご確認ください。

※新型コロナウイルスの感染状況により、会期など開催内容が変更になる場合があります。最新情報は、展覧会公式サイトのほか、「紡ぐプロジェクト」のTwitterをご確認ください。

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Editor  静居 絵里菜

【編集後記】

日本を代表する建築物の模型がずらりと並び、プチ旅行が楽しめる展覧会でした。

 

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