array(1) { [0]=> int(14114) } 香りの器 高砂コレクション展/展覧会レポート | OBIKAKE(おびかけ)

展覧会レポート

香りの器 高砂コレクション展

2021.1.25

高砂コレクション約240点を展示!

香りとその器の歴史を通覧する展覧会

 

パナソニック汐留美術館にて香りの器 高砂コレクション 展が開催中です。

 

パナソニック汐留美術館「香りの器 高砂コレクション 展」/展覧会レポート

展示風景

 

古代オリエントの香油壺や日本のぜいたくな香道具、そして現代の私たちが楽しむ香水瓶など。香りとその器の歴史は紀元前にまでさかのぼるほど長い歴史を持っています。

 

本展では、古今東西の質の高い香器を持つ高砂コレクション約240点と、東京会場限定の特別公開作品を展示。香りの器を通して、人類の香りの歴史を紹介します。

 

 

香りの歴史はどこから始まった?

 

香りの歴史は、紀元前3000年ごろの古代メソポタミアやエジプトにまでさかのぼることができます。

この頃の香りは、宗教的な儀式で使われたほか、王や貴族などの特権階級が生活の中で使用していたと考えられています。

 

展示風景

 

アルコールが発明される以前の西アジアの香料といえば、香油香膏が主流でした。これらは油に香りを移したもので、体を清めたり、足を拭いたりするときに使用しました。

また、乾燥地帯でもある西アジアでは、香りを楽しむだけでなく、肌を保湿する役割も果たしていたようです。

 

*バーム状の練り香水のようなもの。

 

パナソニック汐留美術館「香りの器 高砂コレクション 展」/展覧会レポート

長頸香油瓶 1~3世紀 東地中海沿岸域 高砂コレクション

 

紀元前2300年ごろにはメソポタミアでガラスが発明され、前1600年ごろにはガラス容器を成型できるようになりました。

ガラスは土製と違って油もにじまず、石製よりも成型しやすく、ローマ帝国の重要な交易品として世界中に運ばれました。

 

その後、17世紀から18世紀にかけてアルコールの抽出法が大きく進化します。これにより香水の生産が盛んになっていき、容器も一層豪華なものが作られていくようになりました。

 

 

芸術品のような陶器の香水瓶

 

18世紀初頭、ヨーロッパ初となる白色磁器づくりに成功したのが、ドイツのマイセンです。

この成功をきっかけに磁器の焼成方法がヨーロッパ各地へ広がっていき、それまでガラス製が主流だった香水瓶に、磁器製のものが加わりました。

 

特にロココ趣味が流行した18世紀は、愛らしい人形型の香水瓶が人気を博しました。

 

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マイセン 色絵香水瓶 「若い娘を背負う修道士」 18世紀 金属、磁器

高砂コレクション

 

「若い娘を背負う修道士」は、マイセンの人気彫刻家・ケンドラーによる香水瓶です。

一見、麦わらを背負う働き者の修道士に見えますが、実はじっくり見ると、背中に背負っているのは若い女。つつましさを装った修道士への風刺をきかせた、遊び心のある作品です。

 

こういった繊細で美しい香水瓶を、現在でも広く知られるウェッジウッドやロイヤルコペンハーゲン、セーブルなどの名窯が競うように制作しました。

 

 

不動の人気を誇ったルネ・ラリックの香水瓶

 

アール・ヌーヴォーを代表するデザイナー、ルネ・ラリックは、‟香水瓶”を語るうえで欠かせない人物です。

ラリック製の香水瓶は大変な評判で、メーカーからも注文が殺到。「ラリックの香水瓶ならばその香水も売れる」と言われるほどの人気を誇りました。

 

パナソニック汐留美術館「香りの器 高砂コレクション 展」/展覧会レポート

ルネ・ラリック 香水瓶 「ユーカリ」1919年 ガラス 高砂コレクション

 

ラリックの香水瓶を代表するひとつが、「ユーカリ」です。

ユーカリの葉が底部に届きそうなくらいに大胆に表現された「ティアラ形」と呼ばれるデザインは、形を変えながらさまざまな香水瓶に流用されました。

 

 

豪華絢爛な日本の香りの道具

 

日本の香りの歴史は、6世紀以降、仏教が伝来してからとされています。

平安時代には「薫物(たきもの)合せ」という香りを聞いて競い合う優雅な遊びが流行し、この遊びが「香道」という芸術へと発展していきました。

 

パナソニック汐留美術館「香りの器 高砂コレクション 展」/展覧会レポート

浜松塩屋蒔絵十種香箱 明治時代 20世紀 木製漆塗 高砂コレクション

 

室町時代からはじまった最古の香りの遊びが、十種香(じっしゅこう)で、10種類の香木から4種を選んで、その香木の種類を当てるというものです。

そこで用いられる道具を収めた《浜松塩屋蒔絵十種香箱》は、全体に金粉があしらわれていたり、金銀の蒔絵で装飾されているなど、とても豪華な作品となっています。

 

‟香りで遊ぶ”。日本の香りの歴史は、他国にはない独自の文化が特徴です。

 

 

関連展示も見逃せません

 

本展では、高砂コレクションとともに国内美術館からも特別出品!

香水瓶を持った貴婦人の肖像画や、アール・ヌーヴォー時代の椅子や照明器具など、繊細な造形美をもつ優品が展示されます。

 

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展示風景より右、ドルフィン・アンジョルラ《バレリーナ》年代不詳 コンテ、紙 山寺 後藤美術館

 

フランスの画家であるドルフィン・アンジョルラは、若い女性の日々のくらしのようすなどを描いた画家です。

《バレリーナ》では、バレリーナがランプの明かりの中で衣装を脱ぐさまが描かれており、化粧台の前には香水瓶やパウダーケースなどの化粧品が並んでいます。

 

19世紀以降、香りは特権階級だけでなく一般の人々の生活にも欠かせないものとなっていきます。

特別作品からは、それぞれの時代の美意識を読み取ることができます。こちらもお見逃しなく。

 

 

香りの歴史を通覧できる本展。時代や地域を限定することなく、世界中のぜいたくな香りの器をたっぷり鑑賞できる貴重な機会です。

また、パナソニック汐留美術館ではコロナウイルス感染症拡大防止のための対策を行っています。ご来館前に、公式サイトをご確認ください。

 

パナソニック汐留美術館「香りの器 高砂コレクション 展」/展覧会レポート

展示風景

 

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展覧会名

香りの器 高砂コレクション 展

会期

2021.01.09~2021.03.21 開催終了

会場

パナソニック汐留美術館

※新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する取り組みを行っております。詳しくはコチラ

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Editor  三輪 穂乃香

【編集後記】

香りの器はただの器じゃない、宝石みたいでした

 

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