展覧会レポート

後藤由香子 想が重なるひな人形

2021.2.18

現代性のある美しいひな人形を紹介!

SNSで話題となった「ゴスロリ」ひな人形にも注目です

 

横浜 人形の家にて「後藤由香子 想が重なるひな人形」が開催中です。

 


後藤由香子 想が重なるひな人形 展示風景

 

後藤由香子(1969-2017)は、現代の感性に合ったひな人形を創り続けた節句人形工芸士(*)です。

美しすぎるひな人形」を制作することで話題となり、今後の活躍が期待されるなか、突然49歳でその生涯を閉じました。

 

本展では、「かさね」をテーマに後藤由香子の貴重な作品を紹介。おひな様が着ている美しい色合いの十二単衣(じゅうにひとえ)に注目です!

またあわせて、同館所蔵の伝統的なひな人形も展示。ルーツから現代に至るまでのさまざまなひな人形が楽しめる展覧会です。

 

*節句人形工芸士:正月用品や三月節句用品および五月節句用品、日本人形等の製作に係る優秀な伝統的技術、技能を保持する人のこと。

 

ひな人形のルーツとなった「這子」とは?

 


(左から)「這子」19世紀後半/「天児」18世紀/「流し雛」20世紀 いずれも横浜 人形の家蔵

 

這子(ほうこ)」は、平安時代から飾られている人形で、赤ちゃんの病気などを身代わりに背負ってもらうために、枕元に置かれていました。

うつ伏せにすると子どもがハイハイするような形をしているため、「はいはい人形・はいこ人形」とも呼ばれていたそうです。

 

極細のシルクのみで織られた、贅沢な衣装に注目!

 


「くれない」2016年

 

本作は、2016年節句人形コンクールで最高賞を受賞した作品です。

 

衣装は、ひな人形の衣装で最高峰といわれる誉田屋勘兵衛(こんだやかんべえ)が織りました。

極細のシルクのみで織られた衣装は、赤い表生地の下地に黒糸を使い、上品で深みのある独特な赤色が表現されています。

 

「ゴスロリ」をイメージしたおひなさま

 

「GOTHIC」2015年

 

後藤氏の代表作の一つでもある本作は、「ゴシック&ロリータ」をテーマに制作したひな人形です。

現代では珍しい黒を基調としたひな人形は、江戸時代の享保年間(1716-1736)にもあったそうです。

 

 

後藤由香子 想が重なるひな人形 展示風景

 

また本作は、化粧品のCMにも起用されました。

CMで使用されたおひなさまや人形メイク、モデルが着る十二単はすべて後藤氏が制作!

本展では、モデルが実際に着ていた十二単もあわせて展示されています。(こちらの衣装は2月末までの限定展示)

 

ひなまつりをテーマにしたインスタレーション作品

 

本作は、1000年以上咲き続ける桜と、同じくらい長い歴史を持つひなまつりをテーマにしたインスタレーション作品です。

 


「幻桜」2016年

 

おひなさまたちの後ろに咲く桜は、岐阜県本巣市の根尾谷・淡墨公園にある「薄墨桜(うすずみさうら)」をモデルにしているそう! この桜は、樹齢1000年を超え、国の天然記念物に指定されています。

 

ドビュッシーの「月の光」が流れ、特別な空間が演出されています。

 

 

伝統は、今を生きる」をテーマに、現代性のあるひな人形を創り続けた後藤 由香子のひな人形を紹介する本展。

 

展示されている全てのひな人形は、一般の方も撮影OK!(フラッシュ撮影はNG)

お気に入りのおひな様たちを撮ってみて、SNSでシェアしてみてはいかがでしょうか?

 

OBIKAKE gifts

本展の招待券を5組10名様にプレゼント!

〆切は2021年2月23日23:59まで!

応募フォーム

 

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展覧会名

後藤由香子 想が重なるひな人形

会期

2021.01.30~2021.03.21 開催終了

会場

横浜人形の家

※新型コロナウイルス感染症対策への対策が実施されています。ご来館前に公式サイトご確認ください。

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Editor  静居 絵里菜

【編集後記】

3月3日だけ出すなんてもったいない!と思うくらい、かわいいひな人形でした。

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