展覧会レポート

ゴッホ展―響きあう魂 ヘレーネとフィンセント

2021.10.13

ヘレーネから後世へ

ファン・ゴッホの画業をたどる展覧会

 

東京都美術館で、「ゴッホ展―響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」が開催中です。

 

展示風景

 

フィンセント・ファン・ゴッホは、美術の教科書にもでてくるほど有名な画家ですね。

今でこそ世界中で人気を集めていますが、ゴッホの作品が評価されるようになったのは、彼の晩年から没後以降だったことを知っていますか?

 

生きている間に彼の才能が認められる機会はとても少なかったそうです。しかし、当時そんなゴッホの才能にいち早く気づき、彼の作品を愛し収集した女性がいました。

 

それが、ヘレーネ・クレラー=ミュラーです。

 

本展では、ゴッホを「ゴッホ」たらしめた立役者の一人・ヘレーネ・クレラー=ミュラー(以下ヘレーネの集めたコレクションを紹介。ヘレーネが収集した初期から晩年の作品を中心に、ファン・ゴッホの画業を辿ります。

 

 

「ゴッホ作品」世界最大の収集家・ヘレーネって?

ヘレーネ・クレラー=ミュラー©Kroller-Muller Museum, Otterlo, The Netherlands 

 

ヘレーネが、ゴッホ作品に魅了されたのは、美術評論家で美術教師のヘンク・ブレマー(以下ブレマー)の講義を受けたことがきっかけだといわれています。

ブレマーは、ゴッホを「作品に精神性や人間性を授ける最高の画家」と考え、ヘレーネはこの教えに深く共感しました。

 

ヘレーネは、1908年からのおよそ20年間で、実業家の夫の支援やブレマーのアドバイスを受けながら積極的にゴッホの作品を収集します。およそ20年間で収集した作品は、ゴッホの画業をほぼ網羅!個人収集家では世界最大となりました。

 

現在ヘレーネが収集したゴッホ作品のうち油彩画83点、素描174点、版画3点は彼女が建てた、オランダのクレラー・ミュラー美術館で所蔵されています。

 

展示風景

 

〈ヒマワリ〉にならぶ、〈糸杉〉シリーズ

 

定義にもよりますが、ゴッホは「ヒマワリ」をモチーフに11点の作品を残しています。

この有名な〈ヒマワリ〉シリーズと同様に、ゴッホが何度も描いたモチーフが〈糸杉〉です。

 

OBIKAKE 展覧会レポート ゴッホ展

フィンセント・ファン・ゴッホ《夜のプロヴァンスの田舎道》1890年5月12-15日頃 クレラー=ミュラー美術館蔵

 

自然界のまばゆい色彩の中で異彩を放つ、深い緑色の「糸杉」。ゴッホはこの「糸杉」に心を奪われ、その美しさと、表現する難しさを根源に描き続けました。

本展では、16年ぶりに来日した〈糸杉〉の傑作、《夜のプロヴァンスの田舎道》を見ることができます。

ゴッホが表現したかった光の世界をお見逃しなく!

 

 

ファン・ゴッホ家コレクション

 

本展ではヘレーネのコレクション以外にも、ファン・ゴッホ美術館のコレクションの中から4点の作品を展示。

 

ファン・ゴッホ美術館は、ゴッホの没後に弟、弟の妻、そして息子と、ゴッホ家に代々受け継がれてきた作品を収蔵しています。ファン・ゴッホ美術館が所蔵するコレクションは、美術館のコレクションの中で世界最大のものです。そして、個人収集家として世界最大となったヘレーネコレクション以上に、圧倒的な作品を収集しています。

 

今回は、そのファン・ゴッホ美術館から《黄色い家(通り)》が特別に来日しています。

 

OBIKAKE 展覧会レポート ゴッホ展

ィンセント・ファン・ゴッホ《黄色い家(通り)》1888年9月 ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵 

 

《黄色い家(通り)》は、ゴッホとゴーガンが共同生活をしていた黄色い家を描いた作品です。太陽に照らされる黄色い家と、コバルト色の空の対比に目が奪われますね。

 

芸術家たちとの共同生活に憧れていたゴッホでしたが、二人の個性の違いから、わずか2ヶ月ほどで解散。有名な「耳切り事件」(*)で幕を閉じることになります。

 

*:1888年12月23日、ゴッホが自分の左耳を切り落とした事件。さらにその耳たぶを娼婦に送りつけたという衝撃的なエピソードが残されています。

 

本展では、600円で音声ガイドが利用可能。それぞれの作品の制作背景や、ゴッホの人間性までわかりやすく解説しています!

一周自分の目で楽しんだ後は、音声ガイドを利用して違う角度から鑑賞を楽しむのがオススメです。

 

展示風景

 

ゴッホ作品を愛した収集家・ヘレーネの献身的であり情熱的な活動によって、現在まで継承されてきたゴッホ作品。

彼女がいなかったら、今日のゴッホに対する評価はなかったのかもしれませんね。想像するだけで多くのドラマを感じます・・・。

きっとヘレーネのように心を奪われる作品に出会えるはず!是非お気に入りの作品を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

 

展覧会の最後にはゴッホ展公式グッズを♪

 

展覧会特設ショップ風景

 

展示の最後にはミュージアムグッズを!

ポップなデザインのものが多く、日常にゴッホを忍ばせることができそうです♪

 

なお、本展は日時指定予約制です。詳細は展覧会公式サイトをご覧ください。

 

 

 

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展覧会名

ゴッホ展 ―― 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント

会期

2021.09.18〜2021.12.12

会場

東京都美術館 企画展示室

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Editor|松栄 美海

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