展覧会レポート

イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜―モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン

2021.11.9

展示作品69作品中、59点が初来日!

印象派の発展をたどるファン必見のラインナップ

 

三菱一号館美術館で「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜―モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」が開催中です。

 

日本でも幅広い美術ファンに支持されている印象派本展では有名作品から隠れた名作まで、日本初上陸の作品を多数展示。

イスラエル最大のミュージアムとして知られているイスラエル博物館の独自セレクションを通して、印象派の発展を一望することができます。

 

 

「水の風景と反映」

 

全部で4つのセクションに分かれた本展は「水の風景と反映」で始まります。

「印象派」という言葉が生まれたのは、1874年から8回に渡って開催したグループ展が発端で、この時のメンバーはモネ、ルノワール、ドガなどをはじめとした、そうそうたる顔ぶれでした。

 

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《川釣り》制作年不明 

 

このセクションでは、コロー、クールベなどの、1874年以前に描かれた作品も一緒に展示されています。

コローは「バルビゾン派」を代表する画家です。バルビゾン派の人々は、パリ近郊の自然豊かな小村、バルビゾン村に滞在し美しい風景画を描きつづけました。

 

印象派という概念が誕生する以前の、そのルーツとなったともいえる風景画の数々も、あわせて鑑賞してみてくださいね。

 

 

 

 

ギュスターヴ・クールベ《海景色》1869年

 

ギュスターヴ・クールベは現実の世界をありのままにとらえるように描く「写実主義」を主張しました。彼らの野外で制作をおこなうスタイルや思想などは、印象派の画家たちにも大きな影響を与えました。

 

 

 

展示風景

 

「水と風景の反映」というテーマを体現した印象派の代表作、モネの「睡蓮」も展示されていますよ!

 

 

 

「自然と人のいる風景」

 

展示風景

 

画家の瞳に映る世界や感覚に忠実な印象派。このセクションでは、自然と人が1つの風景として描かれる作品群をじっくり味わえます。

 

 

フィンセント・ファン・ゴッホ《プロヴァンスの収穫期》1888年(右)、《麦畑とポピー》同年(左)

 

田園風景や、労働の様子など、印象派以前にはあまり主題として取り上げられなかったモチーフも積極的に描かれました。

ポスト印象派に位置づけられるファン・ゴッホ。自然の中の色彩とパターンを活き活きととらえた絵画は必見です!

 

 

 

「都市の情景」

 

都会の風景と生活を描いたセクションでは、当時の文化的発展もかいま見ることができます。

 

ピサロなど日本でも知名度の高い画家はもちろん、あまり国内で紹介される機会のなかった画家の作品も見逃せません。

 

 

レッサー・ユリィ《夜のポツダム広場》1920年代半ば

 

たとえばレッサー・ユリィはドイツを中心に活躍した画家です。

 

「夜のポツダム広場」では夜の街と広場が描かれています。雨に濡れて光る街頭のリフレクションが幻想的で、人々の行き交う息づかいすら感じられそうです。

数百年の時を超えて、絵画という窓から18世紀後半〜19世紀ヨーロッパの豊かな文化・風俗を覗くことができるでしょう。

 

 

「人物と静物」

 

本展の最後は「人物と静物」で結ばれます。今までのセクションでは、野外の風景を描いた作品が多く展示されていました。ですが「人物と静物」では、主に室内の情景を描いた印象派作品を鑑賞できます。

 

レッサー・ユリィ《赤い絨毯》1889年

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール《花瓶にいけられた薔薇》1880年頃

 

なにげないひと時を静かに、動的にとらえた作品たちに惹きつけられます。

作者がなぜこのような世界を切り取り、表現したのか。作者の想いを想像しながら楽しんでくださいね。

 

 

今や世界中で最も愛されている芸術運動の1つ、印象派。本展ではその豊かな系譜を味わうことができます。

芸術の秋にぴったりな展覧会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか♪

 

展覧会名

イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜
―モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン

会期

2021.10.15〜2022.01.16

会場

三菱一号館美術館

OBIKAKEをフォローする

Writer   梨香子

アートとサブカルチャーに関心があるフリーライターです。

この記事をシェアする
一覧に戻る
TOP