展覧会レポート
2021.7.21
27年ぶりに寺外展示される秘仏に注目!
古代仏像彫刻の傑作など、貴重な作品が目白押しです
東京国立博物館にて「聖徳太子1400年遠忌記念 特別展 聖徳太子と法隆寺」が開催中です。
聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」 展示風景より
推古天皇15年(607)、聖徳太子によって創建されたと伝えれている奈良・法隆寺。現存する世界最古の木造建築物で、1993年に世界文化遺産として登録されました。
聖徳太子は、「冠位十二階」や「憲法十七条」などの制度を整え、日本の文化的な基盤を築いた人物です。彼を敬う人びとの心は、その没後に信仰として発展しました。
聖徳太子の没後1400年を記念する本展では、法隆寺で護り伝えられてきた寺宝や、太子信仰にまつわる仏教美術を紹介。
今もなお多くの日本人に信仰されている聖徳太子の魅力に迫ります!
日本一有名な聖徳太子の肖像画!
御物 聖徳太子二王子像(模本) 狩野〈晴川院〉養信筆 江戸時代 天保13年(1842)東京国立博物館蔵
本作は、法隆寺東院(とういん)に長らく伝来し、明治時代に皇室に献上された《御物 聖徳太子二王子像》の模本です。
ひときわ大きく描かれた太子の左右に描かれた少年たちは、向かって左に異母弟の殖栗王(えくりおう)、右に息子の山背大兄王(やましろのおおえのおう)だと考えられています。
原本は昭和末期に至るまで一万円札のモデルとして採用されていました。おそらく日本一有名な聖徳太子の肖像画だと思われます。おじいちゃん、おばあちゃんに聞いてみたら「懐かしい!」と言うかもしれません。
27年ぶりに秘仏を寺の外で公開!
国宝 聖徳太子および侍者像 五軀 平安時代保安2年(1121) 奈良・法隆寺
こちらは聖霊院(しょうりょういん)の秘仏本尊で、平安時代後期における太子信仰の高まりを背景に制作されました。
威厳に満ちた姿をする聖徳太子の周囲には、先ほど紹介した山背大兄王と殖栗王のほか、異母弟の卒末呂王(そまろおう)、太子の仏教の師である恵慈法師(えじほうし)が、ユーモラスな表情を浮かべ配置されています。
本作は27年ぶりに寺外公開されます。お見逃しなく♪
古代仏像彫刻の傑作と日本最古の四天王像!
飛鳥時代の様式美を示す「国宝 薬師如来坐像」。法隆寺金堂東の間の本尊です。
光背背面に記された記録によれば、丁卯(ひのとう)年(607)にこの薬師如来像を制作したとあります。
国宝 薬師如来坐像 飛鳥時代(7世紀) 奈良・法隆寺
しかし、癸未(みずのとひつじ)年(623)に完成した、金堂中の間の釈迦三尊像に比べ、鋳造技術などに進歩がみられるため、制作年代はそれよりも後だと考えられています。
飛鳥時代を代表する仏像のひとつですが、まだ謎も多いそうです。
(左)国宝 四天王立像 広目天 飛鳥時代(7世紀) 奈良 法隆寺
(右)国宝 四天王立像 多聞天 飛鳥時代(7世紀) 奈良 法隆寺
また本展では、「国宝 薬師如来坐像」を守護する広目天(こうもくてん)と多聞天の両像も公開します。
こちらは、法隆寺金堂の本尊などの仏像を安置する台座である須弥壇(しゅみだん)の四隅を守護する日本最古の四天王像です!
四天王像といえば、目をつり上げて邪鬼(じゃき)を踏みつけるこわーい姿を思い浮かべますが・・・。
金堂に安置されている四天王像は、直立して正面を向くという、動きの少ない静かな姿をしています。
普段拝観できない仏像も観ることができる貴重な機会です♪
聖徳太子と法隆寺に伝わる仏教美術の名品を紹介する本展。
展示作品をあしらった限定グッズや、奈良県王寺町の公式マスコットキャラクターである雪丸とのコラボグッズを多数販売しているミュージアムショップもオススメです♪
なお、本展は混雑緩和のため事前予約制(日時指定券)を導入しています。詳しいチケット情報は、展覧会公式サイトをご確認ください。
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本展の招待券を3組6名様にプレゼント!
〆切は2021年8月1日23:59まで!
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特別展「聖徳太子と法隆寺」
2021.07.13~2021.09.09
開催終了
東京国立博物館 平成館
Editor | 静居 絵里菜
【編集後記】
歴史の教科書で見たことある作品が多くて、学生時代を思い出しました(笑)。