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日野原学芸員が「美術の道」を目指したキッカケは?(2/4)

2020.1.13

 

太田記念美術館の主席学芸員・日野原健司さん。第1回目のインタビューでは、同館の魅力や、所蔵品についてお聞きしました。第2回は、日野原学芸員が「美術の道」を目指したキッカケに迫ります!

 

 

―日野原学芸員は、いつごろから美術に興味を持たれたのですか?

 

幼少時に絵画教室に通っていた影響で、中学・高校時代には美術館に足を運んでいました。当時は印象派やルネサンス絵画といった西洋絵画を見るのが好きでした。

 

―西洋絵画! 意外ですね。それでは、美術系の大学に進学されたのですか?

 

進学を決めたのは文学部でした。そこで美術史を勉強することを選びました。将来を考えたとき、「学芸員になれたらいいな」という選択肢もありました。

 

―いつごろから「浮世絵」に興味を持ちましたか?

 

この時点では、「浮世絵を専門に研究したい」とは思っていませんでした。むしろ「研究」という行為が好きという感覚で。ジャンルも西洋美術からアメリカの現代アートなど、さまざまな美術に関心がありました。大学3年時からスタートしたゼミで「浮世絵」に興味を持ち、卒業論文で「葛飾北斎」をテーマに選びました。

 

 

―なるほど。そこで「浮世絵」を専門に研究しよう! となったのですね?

 

日本国内で研究者として食べていけることを第一に考えると、現実的な選択の結果でもあるんです。日本全国には、たくさんのミュージアムがありますが、西洋美術を専門にする美術館は少ないんです。加えて、留学経験や複数の語学スキルも必要になりますから、西洋美術は非常に難易度が高く、これはちょっと自分には無理かなと(笑)。

 

日本画・洋画を問わず、地元ゆかりの芸術家を紹介する美術館は結構あります。だからまず、浮世絵というよりは、「研究ができるのであれば」、日本美術のどの分野でもこだわらずにやっていこうと考えていました。

 

―学芸員のアルバイトなどされていましたか?

 

はい。指導教授に、区立博物館の非常勤職員を紹介してもらいました。そこでの数年間の経験を通して考古学や歴史学、ミュージアム運営など幅広く知識を得られたのは良い経験になりました。

 

非常勤職員を続けながら、就職活動をしたところ、運良く当館に就職することができ、本格的に浮世絵の世界に足を踏み入れることになりました。

 

思わぬ失敗や挫折にも柔軟に対処して乗り切ってこられた日野原さん。これから学芸員を目指される方は参考になるかもしれませんね! 次回は、浮世絵の魅力について詳しくお聞きします。(第3回へ続く)

 

 

information

開館40周年記念 太田記念美術館所蔵 肉筆浮世絵名品展―歌麿・北斎・応為

会場:太田記念美術館

会期:2020.01.11〜02.09

展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/6789/

 

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Writer | 齋藤 久嗣

脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。

首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive

 

 

Editor | 静居 絵里菜

OBIKAKE編集部所属。

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