Be-dan

東京都現代美術館の美術図書室って一体どんなところなの?(1/4)

2020.2.3

今月の「Be-dan」では、OBIKAKE初の図書館を特集!取材に伺ったのは、東京都現代美術館の美術図書室です。

2019年3月の美術館リニューアル・オープンとともに、より使いやすく、美しく生まれ変わったそうです。今回は、司書として働く岩田郁子さんにいろいろとお話をうかがってきました!

 

 

―まずは、東京都現代美術館の美術図書室はどんなところなのか教えてください。

 

日本最大級の美術専門図書室で、約27万冊の蔵書を持っています。1995年に東京都現代美術館が開館する時に、上野にある東京都美術館の図書資料を移管してオープンしました。明治時代から現代までに出版された、国内外の美術書を幅広く集めています。特に展覧会カタログは非常に充実しています!

 

―入り口付近は明るくて、書棚には最近の展覧会図録が華やかに展示されていますよね。これ以外にも倉庫があるんですか?

 

そうですね。開架書庫にお出ししている資料は約1万冊で、残りは閉架書庫で管理しています。閉架書庫にある本は司書カウンターで手続きすると、閲覧することができます。

 

閉架書庫も特別に見せていただきました!

 

―美術図書室と、一般の図書館との一番の違いはなんですか?

 

美術図書室なので、その名の通り美術に関するあらゆる資料に特化して集めているのが一番の特徴です。海外も含めて小さな出版社の出版物まで網羅したり、他館の展覧会カタログも入手できないかどうか、常に調査をしています。また、保存と閲覧を主な目的としているので、貸出サービスはしていないんです。

 

―蔵書はどのようにして集めているんですか?

 

たとえば、展覧会カタログでは全国の美術館とお互いの展覧会の図録を交換寄贈する取り決めをしています。東京都現代美術館での展覧会図録をお送りする代わりに、先方の美術館からも図録を寄贈していただきます。その他は、司書が独自で書店や他の図書館をチェックして目についた美術図書を購入したり、古書店からも買い付けしたりします。

 

―珍しい古書なども所蔵されているんですよね?

 

他の美術館などでは収蔵品扱いとなるような明治、大正期に出された美術雑誌や、当館に寄贈された美術作家のスケッチブックなども、貴重書コレクションとして所蔵しています。

 

―やっぱり古い本だと、保存も大変ですか?

 

そうですね。実物は直接閲覧していただくのは難しい場合もあります。その代わり、複写したものをお見せしたり、デジタル化した画像をパソコン端末で見られるようにデジタル・アーカイブ化を進めています。インターネットでも一部公開しているんですよ。

https://trc-adeac.trc.co.jp/Html/Usr/1351035100/index.html

 

開放的で使いやすい図書室です!

 

約27万冊と日本最大級の蔵書量が魅力の東京都現代美術館の美術図書室。今でも年に約5000冊ペースで蔵書が増え続けているそうです!美術展のチケットがなくても、無料で利用できるので、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。

次回は、リニューアルしてパワーアップした美術図書室を、さらに深く掘り下げていきたいと思います!

第2回につづく)

 

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Writer | 齋藤 久嗣

脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。

首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive

 

 

Editor | 三輪 穂乃香

OBIKAKE編集部所属。

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