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エイフマン・バレエの真骨頂!”リアルな”彫刻作品が舞台に!
(3/4)

2019.6.24

 

第3回:まだまだ知りたい!「ロダン~魂を捧げた幻想」の面白さの秘密って?

インタビュー第2回では、エイフマン・バレエの真骨頂である「心理描写」について掘り下げてお聞きしましたが、第3回でも引き続き「ロダン~魂を捧げた幻想」の注目ポイントについて掘り下げてみたいと思います!

 

 

―OBIKAKE読者にはロダンが好きなアートファンも沢山いると思います。アートファンならではのオススメの見方ってありますか?

 

 

 

アートファンの方には、ぜひ劇中でロダンが作る「彫刻作品」になっている人たちの体の美しさに注目していただきたいですね。ロダンの彫刻も、もともとは彼のアトリエで様々なポーズを取った生身の人間をモデルとして作られているはずですよね。こうして生み出された彫刻作品をモデルとして、今度は逆にリアルな生身の人間たちが踊っているわけです。一周回ってきて、いわばこれは原点回帰みたいなものですよね(笑)。ロダンに当時見えていたであろう「オリジナル作品」が実際に舞台に現れてくるっていうのは面白いですよね。ロダンの彫刻って筋肉の付き方の表現とかが、ものすごくリアルで緻密じゃないですか。背中の筋一つや腹筋の筋など、どれを取っても。それを鍛え抜かれた肉体を持っている世界屈指のバレエダンサーたちが、余すことなく表現してくれるんです。その驚異的な再現性の高さは、絶対見てほしいポイントの一つですね。

 

 

 

 

 

 

その他では、劇中での緊張感あふれる演技や心理描写を支えている、「音楽」もまた注目点の一つですよね?

 

 

 

エイフマンさんの天才的なところは、音楽の構成力にもの凄く長けているところなんです。本作は題材がフランス人のオーギュスト・ロダンということで、劇中音楽はロダンとほぼ同時代に活躍したフランスの作曲家の楽曲で統一されています。選曲にあたっては、エイフマンさんが自らありとあらゆる曲を聴いて、バレエの場面とリンクさせてぴったりマッチするものを厳選しています。

 

エイフマンさんは『音楽の中には、おそらく作曲家自身が思いもかけなかったドラマが秘められている』と言います。そのドラマを発見し、音楽に新たな運命を授けているようなものですね。近年の現代バレエだとテクノ系や電子音楽を使っていることも多いのですが、エイフマンさんの場合はクラシック音楽を使うことも多いので、初心者の方にとっても入りやすいと思うんです。

 

「ロダン~魂を捧げた幻想」に関しても、実際に聴いていただくと、必ずどこかで聞いたことがあるような有名な曲も入っています。前半の重要なシーンで使われているドビュッシー「月の光」、サン=サーンス「死の舞踏」、マスネの「タイスの瞑想曲」など、聞き馴染みがあって、かつフランスの作曲家らしいカラフルな曲が多く選ばれているんですよね。音楽の切り替わりとともに色鮮やかな照明も使いながら場面が変わっていくので、踊りや舞台演出といった視覚的な刺激と、耳から入ってくる音楽の力が絶妙にシンクロして、全く飽きずに最後まで観られるんですね。

 

 

 

 

 

―どこかで事前に予習できるといいのですが・・・

 

 

 

はい。そういうリクエストも多いので、今回舞台の主要なシーンで使われている楽曲を無料で聞けるプレイリストをSpotifyで作成してみました!ぜひ毎日聴いて本番への期待を高めてくださいね!

 

 

 

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21年ぶり待望の来日!世界に衝撃をあたえ続ける
エイフマン・バレエ 日本公演 2019
7.18 [木] 19:00 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
7.19 [金] 19:00 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
7.20 [土] 17:00 「アンナ・カレーニナ」
7.21 [日] 14:00 「アンナ・カレーニナ」
会場:東京文化会館

(問)ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212

 

【全国公演】
7.13 [土] 15:00 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 「アンナ・カレーニナ」
(問)びわ湖ホールチケットセンター 077-523-7136
7.15 [月・祝] 15:00 グランシップ(静岡)中ホール・大地 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
(問)(公財)静岡県文化財団 054-289-9000

 

エイフマン・バレエ 日本公演2019 特設サイトはこちらから

 

第4回に続く

 

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Writer | 齋藤 久嗣

脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。

首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive)

 

 

Editor | 松栄 美海
OBIKAKE編集部編集長。学生時代は美大で彫刻を学ぶ。IT企業を経て昨年9月よりWEB担当として入社。
OBIKAKEの立ち上げを担当。とにかくこの仕事が好き。編集や撮影について勉強中。

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