Be-dan
2020.2.10
2019年3月にリニューアル・オープンした東京都現代美術館。今月のBe-danは、同館美術図書室の司書・岩田さんにインタビューしました!第1回は美術図書室の歴史や、所蔵品についてお伺いしました。つづく第2回では、リニューアル後の注目ポイントに迫ります!
(第1回はコチラ)
―リニューアル・オープンした際に、美術図書室も大きく変わりましたね。特に変わったポイントはありますか?
まず、図書室のレイアウトが大きく変わりました。たとえば、以前は図書室の一番奥にあった雑誌コーナーを、入口付近に移動させました。これによって、もっと気軽に図書室内に入ってもらいやすくなったようで、待ち合わせなどに使っていただいている方もいるようです。また、新しく受け入れた資料を「新着コーナー」としてクローズアップしたり、表紙を見せたディスプレイなど、利用者の目に留まりやすいように工夫しています。
―メディアブースも新しく作られたのですね?
当室では、現代アーティストの制作した映像作品や、美術作品に関するドキュメンタリーなど、美術に関するDVDやブルーレイディスクの収集を新たに始めました。そこで、図書室内に専用の閲覧ブースを設置して、ご覧いただけるようにしているんです。
―入口のすぐ横に「こどもとしょしつ」という独立したコーナーがあるのも気になります!
こちらは子ども向けの美術書を集めたコーナーで、約400冊ほど所蔵しています。リニューアル時に、特に洋書の絵本を増強しました。もともと閲覧室の一箇所に、子供の本を集めたコーナーがあったのですが、どうしてもお子さんが声を出すんじゃないかとか、本を読み聞かせしてあげたくても、自分の声が気になってしまうとか、そういったご意見もありましたので、今回のリニューアルを機に、閲覧室の間に壁を設けて声を気にせず楽しめるようになりました。
現代アーティストが制作した絵本もあります!
―お子さん連れも多そうですね。
そうですね。すぐ横に木場公園があるので、公園からの帰りに気軽に立ち寄られる方もいらっしゃいますよ。現代美術作家が制作に携わった絵本なども多いので、大人が利用しても楽しめます。
―美術図書室初心者に、図書室のオススメの活用法を教えて下さい。
展覧会を楽しんだ後などに、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか? まず、蔵書検索端末で出品作家について検索してみましょう。インターネット公開もしているので、スマホなどでも調べられます。すると、たくさんの関連資料が見つかると思います。また、展覧会の出品作家に関する資料は、司書カウンター前のコーナーに目立つように置いてありますよ。現在開催中の展覧会カタログを閲覧することもできますし、出品作家の過去の展覧会カタログなども一緒に眺めてみると、より魅力が感じられるかもしれませんね。
展示ケースによる特別展示も魅力です
第2回では、新しくなった美術図書室の魅力をたっぷりと教えてもらいました!カタログがとても充実しているので、次に見たい展覧会の予習に、いろんな展覧会カタログをパラパラ眺めたりするのも面白そうです!
(第3回につづく)
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太田記念美術館学芸員・日野原健司さん
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Writer | 齋藤 久嗣
脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。
首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive)
Editor | 三輪 穂乃香
OBIKAKE編集部所属。