Be-dan
2019.6.10
第1回ではEastの「ものづくり」にかける思いについてお聞きしました。第2回ももう少し掘り下げて伺っていきたいと思います。
【第2回:開さんの働き方と周りの人々】
―素敵なお話ですね、やはりそのような作り手のお話を聞くのはとても面白いです。そういう情報を知るだけで更にグッズが愛おしく感じてきますね。
そうなんです。僕も仕事をしていく中で様々なモノづくりのプロたちと出会うことや、展覧会を一緒に作っていく皆さんを喜ばせたい!っていう部分が、楽しく頑張れるエネルギーの源になっているように思います。
―そういうお話聞くと胸が熱くなります。。。
僕たちはグッズを制作するとき、何かを伝えたくて作っている場合が多いんです。
例えば、企画展の実現に関わった関係者の思いや、作品の面白さ、または、日本のものづくりに関わる職人たちの努力だったり、、、それらは場合によっていろいろです。
だから単純にレジを打って品物を渡すだけじゃなくて、グッズ制作に関わるストーリーを自分たちがしっかり店頭に立って共有することで、お客さんに少しでも「へーっ」と思ってもらえることをとても大切にしています。
―なぜEastはそこまで徹底できるのでしょうか。思っていても実行できないことっていろんな業界であるんじゃないかなって…
たしかにそうですね。僕は働く仲間が重要かなと思っています。Eastではこの15年間、ショップスタッフの面接もすべて僕自身が行ってきました。
アルバイトの面接といってもちょっと変わっていて、Eastは何のためにミュージアムショップをやっているのかとか、そもそもこの時代に日本で働くとはどういうことなのかとか、僕が思うことをたくさんお話しします。
面接ってどうしても応募者のスキルの確認作業みたいになりがちだけれど、Eastでは、面接も「出会いの場」なんです。この人と一緒に働きたいっ!て思った人が、僕たちと働きたい!!思ってくれないと、そもそも成り立ちませんから。
そうやって、互いに通じ合えた仲間が少しずつ増える、そんな出会いの数々がいまの僕たちを支えてくれています。
―なるほど、だから店頭でグッズを売っているスタッフの方までEastはみんな様々なストーリーをお話してくださるのですね。
そう感じていただけてると嬉しいです。実際、展覧会終了後にスタッフで打ち上げをすると、グッズが素敵だったってことよりも「スタッフがみんな素敵だった」とか「こんなチームで仕事ができたことは未だかつてなかった!」とか、みんなから、すごく褒めてもらえるんですよ(笑)。
そういうときに、みんなで同じ方向を向いていたんだなあと実感します。
そうして出会ったメンバーと今でも少しずつですが、繋がっていられることも、とても尊いことだと感じています。
(第3回に続く)
開 永一郎(ひらき えいいちろう)
株式会社Eastの代表取締役
同社にて、ミュージアムグッズの企画、デザイン、製造、卸、インテリア、テーブルウェアの企画販売
店舗デザイン、マーケティング、商品企画まで幅広く手がける。
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Writer | 齋藤 久嗣
脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。
首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive)
Editor | 松栄 美海
OBIKAKE編集部。学生時代は美大で彫刻を学ぶ。IT企業を経て昨年9月よりWEB担当として入社。
OBIKAKEの立ち上げを担当。編集や撮影について日々勉強中。