Be-dan

「ハマスホイとデンマーク絵画」展の魅力や見どころとは?(1/4)

2020.2.21

今話題の展覧会といえば、東京都美術館で開催中の「ハマスホイとデンマーク絵画」です。皆さんはもう行かれましたか?今回のBe-danは、企画構成を務めた山口県立美術館の学芸員・萬屋健司(よろずや けんじ)さんが登場!

 

展覧会の楽しみ方や、デンマーク文化を象徴するキーワード「ヒュゲ」について、そして萬屋さんがデンマーク美術に興味をもったきっかけなど、盛りだくさんでお届けします!

 

 

―まず、「ハマスホイとデンマーク絵画」展はどんな展覧会なのでしょうか? 展覧会のポイントを教えていただけますか?

 

展覧会名にもあるハマスホイは、19世紀末頃にデンマークで活躍した画家で、2008年に国立西洋美術館で「ハンマースホイ展」が開催されています。今回の展覧会は、それから12年ぶりのものになります。内容としては、ほぼハマスホイの作品のみ取り上げられた「個展」だった前回展よりも紹介する対象を広げて、ハマスホイと19世紀のデンマーク絵画を合わせて紹介するという構成にしてみました。

 

―なぜ今回はハマスホイだけではなく、19世紀のデンマーク絵画全般を取り上げられたのでしょうか?

 

2008年の「ハンマースホイ展」では、およそ18万人がハマスホイの作品を見ていますが、それでも日本人にとってデンマークはまだまだよく知らない国です。だから、今回はデンマークをより深く理解できるようにハマスホイを含めたデンマークの芸術的な伝統、バックグラウンドを幅広く紹介することにしたんです。

 

-19世紀デンマーク絵画というと、何か特徴みたいなものはあるんですか?

 

神話画や歴史画といったアカデミックな絵画がすたれていった代わりに、室内画や風景画といった市民的な芸術が花開いていったのが19世紀のデンマーク絵画の特徴なんです。その流れがわかるように、19世紀前半のデンマーク絵画黄金時代の作品からスケーイン派、世紀末の画家たち、そして最後にハマスホイへとつながるよう、19世紀に活躍した作家を幅広く集めました。

 

展覧会図録

 

―展覧会の構想は2013年頃から計画されていたそうですね。まさに7年越しの開催ですね!

 

美術史を勉強する学生にとっては、いつか自分が研究している画家の展覧会をやりたいというのが1つの目標なんです。私も学生時代からハマスホイやデンマーク美術の展覧会をいつかやりたいなと思っていました。現在の山口県立美術館に就職後、一通り仕事を覚えたタイミングでいよいよ企画させていただくことになりましたが、展覧会の準備は想像以上に大変でした。色んなものが結びつかないとできないもので、気がついたら7年経過していました(笑)。でも、関係者の皆様のご厚意・ご協力のお陰で時間をかけて良い展覧会になったと思います。ぜひご覧くださいね!

 

萬屋健司さん

 

萬屋学芸員の学生の頃からの夢が詰まった「ハマスホイとデンマーク絵画」展。OBIKAKE編集部でも内覧会にお邪魔しましたが、本当に素晴らしい展覧会でした!ぜひ足を運んでみてくださいね!

 

さて、第2回では、萬屋学芸員がなぜデンマークに興味を持つようになったのか、学生時代のお話や学芸員のお仕事についてお伺いしていきます。来週もお楽しみに!

第2回につづく)

 

↓話題となっている激カワグッズのツイート♪

売り切れも出ているそうです。

《ハマスホイ展グッズ②》
ハンカチは、刺繍と色味が絶妙!
その他も、お菓子やお箸(!)まで、多彩なグッズがいっぱいありました?
購入後は、素敵な袋に入れてくれました?https://t.co/m0nWjMg5LN pic.twitter.com/7trem5kd2i

— 「OBIKAKE」公式(美術館情報サイト) (@obikake) January 20, 2020

 

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Writer | 齋藤 久嗣

脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。

首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive

 

 

Editor | 三輪 穂乃香

OBIKAKE編集部所属。

「ハマスホイとデンマーク絵画」取材レポートはコチラ

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