Be-dan
2020.4.20
今月のBe-danは、展覧会の広告を手掛ける、デザイン会社RAMの田部井ゆい子さんにインタビュー!
第3回では、田部井さんの展覧会の鑑賞法や、働くオフィスについてお聞きしていきます。
(第2回はコチラ)
―展覧会には普段からよく行かれますか?
プライベートでも、暇さえあれば展覧会に行っています。勉強になりますし、チラシもコレクションしていますよ。
―どんな展覧会に魅力を感じますか?
新しいアプローチで構成された展覧会に惹かれます。たとえばゴッホ展はこれまでに何度も開催されていますが、ゴーギャンとの関係や日本との関わり、ハーグ時代からの作品の移り変わりなど、どこに視点を置くかで同じテーマでも印象がガラリと変わります。そんな展覧会のキュレーションや展示の魅せ方に感動します。
―テーマの他に、展示で注目する部分はありますか?
最近の展覧会は空間づくりもこだわっているので、展覧会ごとに特色があるのがとても楽しいです。巡回展で環境が変わると美術館の個性で展示の印象が変わり、新たな発見ができますね。また、RAMではグッズデザインを手がけることも多いのでグッズ売り場は必ずチェックします。他にも、音声ガイドは解説だけでなく世界観を演出してくれるので、展覧会をあますところなく楽しめますよ!
―本当に展覧会がお好きなんですね!デザイナーになる前からアート好きだったのですか?
父が日本画家なので、芸術は身近に存在していました。そんな環境下で、私自身も自然に美術系の学校に進みました。当時はテキスタイルを学んでいましたが、自分自身を表現するというより、テーマに沿って「デザイン」するほうに興味がわいてきました。
―そこからデザイナーの道に進んだのですか?
今とは別のデザイン会社でデザイナーとして働いていました。当時はオペレーション作業が多かったのですが、もう少しデザインにおいて表現の幅を広げられる仕事をしたいと思うようになり、RAMの求人募集に応募しました。
応募の際、自分が今まで手がけた作品のポートフォリオを提出したのですが、その中にワンちゃんを使ったカレンダーがあり、それを犬好きなアートディレクターの田口が妙に気に入ってくれて、話が弾んだことが印象に残っています(笑)。
―そのカレンダーがRAMと田部井さんを繋いだのかもしれませんね!
ワンちゃんといえば、一緒にインタビューに応じてもらっていますが、オフィスにいつもいるんですか?
アートディレクターのワンちゃん3匹と社員のワンちゃんが1匹出入りしています。忙しく神経を使う仕事なので、ワンちゃんがいると癒されます。ちなみにRAMはグラフィックデザイン以外の事業もやっていて、このワンちゃんの服もRAMのブランドなんですよ!
アートディレクターの田口さん。ワンコ好きにはたまらないオフィス、うらやましい!
―職場にワンちゃんがいるなんて羨ましいです! オフィスに来たお客さんも癒されているのではないでしょうか?
そういう方は多いですね。ワンちゃん好きな人は、こちらが訪ねる打ち合わせのときも、「今日はどのワンちゃんが出勤しているの?」「行く行く!」と、わざわざ来てくださることもあります(笑)。
仕事にストイックながらもアットホームな雰囲気が、素敵なRAM。田部井さんのお話を読んで、入りたくなった人もいるのではないでしょうか。
次回はいよいよ最終回。デザイナーになるために必要なことについてお聞きします。お楽しみに!
(第4回につづく)
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Editor | 三輪 穂乃香
OBIKAKE編集部所属。
Writer | ニシ
美術と日本文化に癒しを求めるライター。記事とシナリオの間で反復横跳びしながら、何らかの文章を日々生産している。