Be-dan
2020.8.24
今月のBe-danは、若手彫刻家・瀬戸優さんにインタビュー!
最終回では、普段の制作についてや、これからの夢・やりたいことなどをたっぷりお聞きしました。
―普段制作していて、一番ドキドキする瞬間、テンションが上がる瞬間ってどんな時ですか?
制作中はいつも気分が上がっています。最初に粘土を付け始めて形を作っていく「粗付け」の段階や、焼き終わって色をつけるとき、目を入れるときも。
でもやっぱり、作りたいものを考えているときが一番楽しいです。こういうの作ろう、この会場で展示が決まったから、大きいもの作れるぞ、とか。常に頭の中にいくつも作りたいものがあって、その中から、じゃあ今度はこれを作ろうと、ピックアップする感じです。
―粗付けから、焼いて彩色など、いくつか工程がありますよね。サイズにもよると思いますが、今回展示されたような、高さ30~50㎝前後の作品が完成するまでだと、だいたいどのくらいの期間がかかるのですか。
造形自体は早いですが、乾燥させたり、焼いて冷ましたり、いろんな工程や作業があるので、最速でも半月ほどかかります。並行していくつか作るので月に6~7体は作っています。今回の東京の個展で展示したものは、今年4月からの3か月間で作った分がほとんどで、その他にオーダー作品も6点制作しました。
―そうなんですね! 今回、レリーフのような平面作品を手掛けられたのは、何かきっかけがあったんですか。
彫刻家は、みなさん平面作品も作っていて、個性が出て面白いんです。それで、自分も何かできないかなと考えて。
これは厳密に言うとレリーフではなくて、陶板にスケッチしてその輪郭を切り抜いて、漆喰の土台に貼り付けたものなんです。だからとても平面的だし、ドローイングに近いと思います。技法が一緒で、素材感が伝わるもので壁掛け、そんな表現をやっと見つけました。これからたくさん作ろうと思っています。
―なるほど、楽しみですね!
ちなみに、これまでに瀬戸さんが影響を受けた人やもの、好きな絵画などがあれば教えてください。
いっぱいありますよ。彫刻家が多いですね。海外の作家が多いのですが、中でもヨルゲン・レベテズ、
何とか自分のオリジナリティを磨いていきたいですね。
―では最後に、瀬戸さんがこれからやってみたいことや、夢をお聞かせください。
まずは、大きな作品をもっと作れるように、アトリエを広くして、作品数や作品の大きさなど、仕事の幅を広げたいです。展示をやる会場もどんどん広げていけたらなと!
ご本人がDIYした(!)、現在の瀬戸さんのアトリエ(瀬戸さんの公式ホームページより)
また、今の状況が落ち着いたら、海外のアートフェアへ出展して、国際的なマーケットを作りたいです。彫刻作品は、日本より海外の方が売れることが多いんです。昨年、『アートフェア台北』に小さい作品を出させてもらいましたが、次は大きい作品を持っていきたいですね。
そして、もっと大きな夢というと・・・やっぱり、例えばこのライオンの全身サイズを、公共の場や公園に、どん!と永久設置してもらうとか、憧れますね(笑)。
《mother star -ライオン-》テラコッタ、彩色、玉眼 2020 (瀬戸さんのInstagramより)
あとは・・・個人的な夢ですが、家庭を築きたいですね!マイホームを建て、マイアトリエを建てて(笑)。
―やっぱり作家本人が幸せじゃないと、いい作品も生まれないですもんね(笑)。
作家がアーティスト活動だけでマイホームを立てるのは、本当に大変な道のりだと思います。これは、地道に頑張るしかありませんね(笑)。
―これからも応援しています!ありがとうございました!
4回にわたってご紹介した、彫刻家・瀬戸優さんのお話、楽しんでいただけましたか?
これからの活躍が本当に楽しみな若きアーティストです。ご本人が積極的にSNSで情報発信しているので、ぜひTwitterやInstagramをフォローしてみてくださいね。
次回のBe-danもお楽しみに!
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Editor | 三輪 穂乃香
OBIKAKE編集部所属。
Writer | naomi
採用PR・企業広報職、Webメディアのディレクターなどを経て、アート&デザインライターに。
作品と同じくらい魅力的な、作家の人となり・ストーリーも伝えたくて書いてます。
好きなもの・興味関心と守備範囲は、古代文明からエモテクのロボットまでボーダーレスです。