Be-dan

アートプロジェクトの楽しみ方を、3331 Arts Chiyodaの宍戸さんにお聞きしました!(4/4)

2020.7.27

今月のBe-danでは、「3331 Arts Chiyoda」(以降、「3331」と表記)のジェネラルマネージャー宍戸遊美(ししど ゆうみ)さんにインタビュー!

 

最終回では、アートプロジェクトの楽しみ方を中心に、宍戸さん流のアート鑑賞法をお聞きしました!

第1回第2回第3回

 

 

 

―宍戸さんの好きなジャンルを教えてください。

 

現代アートの展覧会を見るのが好きです。直近では、東京都現代美術館の「ダムタイプ|アクション+リフレクション」(2019)を見に行きました。

また最近は、歴史博物館にも興味を持っています。仕事柄、地域の歴史を調べる機会が増えたので、資料館のほか、浮世絵の美術館にも足を運ぶようになりました。千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館もよく行きます!

 

―好きなアーティストはいますか?

 

海外の社会派現代アーティストに興味があります。例えば、ハンス・ハーケやリチャード・ロングなどですね。他には、絵画ならマーク・ロスコ、彫刻ならアルベルト・ジャコメッティなど、抽象的な作品を手掛ける作家が好みです。

 

―宍戸さん流、初心者の方へオススメのアート鑑賞法を教えていただけますか?

 

作品を近くで観ることですね。可能な限り作品の近くへ寄り、作品のディテールを見るようにしています。絵画なら絵肌、彫刻なら素材の材質が訴えかけてきたりします。それらが、落ち着いて鑑賞できるのが美術館ならではだと思います。図録に載っている作品写真では気が付けない、作品本来が持つ細かい部分に気づけるのが面白いです!

 

 

―宍戸さんは、3331以外で企画されているアートプロジェクトを観ることはありますか?

 

もちろん! 勉強になるのでよく観ています。

観る時は、アートプロジェクトがどこから始まっているのかに注目しています。「降りた駅から?」または「目的地にたどり着いた時?」など考えながら観ています。

アートプロジェクトは、街の人と関わって作っていたり、社会からの影響を受けて制作していたりと、さまざまな工程を経て出来上がっているものです。なので、プロジェクトが作られている空間だけで完結している作品が少ないんです。そこに注目して、観てみると面白いと思います。

 

―アートプロジェクト初心者へのアドバイスをいただけますか?

 

少しでも気になるアートプロジェクトがあったら、ぜひ参加してみてください!まずは体験が大切です。

プロジェクトの中で、作家が制作過程を説明してくれることがあります。その説明の中に、作品のテーマに関わるものが潜んでいる可能性があるので、ここは要チェックです

 

―アートプロジェクトに参加したいけど、敷居が高そうと感じる方も多いと思います。簡単に参加できるものなのでしょうか?

 

よく参加者を募集していますので、気になったアートプロジェクトをWEBで調べてみてはいかがでしょうか。また気になった作家のトークを聞きに行くだけでも、立派な動機ですよ!

またプロジェクトに参加した際は、自由に感想を伝えていただくのも良いと思います。「自分はこう思う」という発言も、基本的に受け入れられます。その意見が次のプロジェクトの肥やしになってくるので、勇気を出して感想を伝えてみてください

 

―行って、体験してみることが大事なのですね!

 

プロジェクトのテーマや活動内容だけでなく、場所や道具が気になる・・・といった気軽な興味でも大丈夫です。行ってみて、そこからまた別の興味が発生することもありますし、一緒に見ることで場が変わることもあります。なので、いろいろな関わり方ができるのではないかなと思います。

 

 

―最後に、宍戸さんにとって「美術館、文化施設」はどんな存在ですか?

 

入り口」だと考えています。日常空間とは違い、良い意味いつもと違う体験ができる場所ではないかと思います。日常生活の中で、気持ちをリセットしたくなったり、感覚に物足りなさがあったりした時は、美術館や3331などの文化施設に来てみると、何かが見えるかもしれない。そういう「入り口」のような施設でありたいと思っています!

 

全4回にわたってお話を聞いてきましたが、いかがでしたか?

表現者として、また裏方として多彩な形でアートに関わっている宍戸さん。「一貫してやりたいことがやれているんだ」ということをお話で聞いて、かっこいい生き方だと思いました!

 

来月のBe-danでは、夏休み特別企画として、連載初のアーティストにインタビューしてきました!次回の「Be-dan」もお楽しみに♪

 

 

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Writer | 齋藤 久嗣

脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。

首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive

 

Editor | 静居  絵里菜

OBIKAKE編集部所属。

廃校を活用したユニークな文化施設!展覧会も開催されているので、今度ゆっくり見に行きたいです♪

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