Be-dan
2020.6.8
今月のBe-danは、アート系マンガ家のにしうら染(そめ)さんにインタビュー!
印象派画家クロード・モネが主人公のマンガ『モネのキッチン』などを手掛けています。
第1回では、アートが身近にあったという、にしうらさんの幼い頃のエピソードなどをお聞きしました。つづく第2回では、にしうらさんのこれまでのキャリアや、普段の制作の様子についてお聞きします!
にしうらさんがお持ちの資料の数々!やはり印象派や西洋絵画に関するものが多いです。
―大学卒業後、マンガ家としてデビューではなく、ゲーム会社で“グラフィッカー”としてお仕事されていたんですね。どんなお仕事か教えてください。
グラフィッカーは、ゲームのビジュアル面全般を作るお仕事です。キャラクターや背景など、いろんなセクションがあるのですが、私は、出来上がったキャラクターの細かな設定やデザインに沿って、実際にゲームの中で動くようにするグラフィックの部分を手掛けていました。
例えば、キャラクターがパンチすると煙や炎が出ますよね。エフェクトと呼ばれるものですが、それらも作っていました。
―わー!大変そう!その分、やりがいもありそうですね。
そうですね。ゲーム会社には、ゲームそのものや、作ることが好きな人たちが集まっているので、追い込みの時にはみんなで終電まで残業、なんて時もありました。「もっと良くしたい!」とみんなで意見を出し合いながら、クオリティの高いものを作っていく作業は、とてもやりがいがあって楽しかったです。
―そんな多忙なグラフィッカーのお仕事をしながら、ご自身のマンガ作品も少しずつ描くようになったんですか?
はい。最初はお休みの日に趣味で描き始めました。自分で印刷・販売する同人誌を作って、イベントで売っていたんです。そうしたら出版社の方に「うちの雑誌で描いてみませんか?」と声をかけていただいて。それで描いた作品が好評だったことから、連載を始めることになり、単行本になっていきました。
―グラフィッカーとマンガ家のダブルワークですね!お忙しかったと思いますが、どのくらいの期間、続けてらしたんですか?その時のモチベーションって?
思い返せば、当時は全然遊びに行ってませんでした(笑)。けれど、ゲームもマンガも自分の好きなことだったので、それを仕事にできるなんて夢みたい!と思ってましたし、読者さんから感想をもらうのが嬉しくて、3~4年は並行して続けていましたね。
―マンガに専念しよう、と決断されたのは、何かきっかけが?
20代後半になって、“この先10年20年と、仕事として続けていきたいのはどっちかな”と考えたら、ゲームよりマンガのほうが描きたい作品や案が浮かんで、やりたいと思えたんです。確かに体力的にキツイときもありましたけれど(笑)、ダブルワークは楽しかったです。ゲームもマンガもどちらもやっていて良かったと思っていますね。
―素敵ですね。そして再び、にしうらさんの好きな西洋美術につながっていくんですね。
はい。自分が一番興味があって、マンガで描きたいもの、人に読んでもらいたいテーマは何かなって考えたら、やっぱり西洋美術だ、と戻ってきました(笑)。
―全てがつながりましたね(笑)。普段はどのように作品を描かれていますか?
『モネのキッチン』もそうですが、ペン入れ(鉛筆などで描かれた下書き線をインクや墨汁などでなぞって引き直すこと)は、ケント紙に丸ペンやGペンと呼ばれるペンで描く、アナログな方法です。その後、スキャナーでPCに取り込んで、デジタルで仕上げなどを行っています。
『モネのキッチン』のペン入れ済み原稿とペン入れに使うつけペン、ペン先、インク壺
―ハイブリットですね!
そうですね。でも、ペンタブレットを使って、下書きから仕上げまで全てデジタルで描くこともあります。アナログのペンタッチが、デジタルでは再現できないところもあるので、”自分の表現したいタッチはこれだからこっちを選ぶ” みたいに、作品の雰囲気などによって使い分けていますね。
仕上げやカラー原稿などのデジタル作画に使っている、というツールたち
子どもの頃から親しんだ西洋美術と、グラフィッカーのお仕事をしていたゲームの世界、二つの「好きなもの」が、現在のマンガ家としての活躍につながっているにしうらさん。素敵なお話でした。
第3回では、お気に入りの美術館や、とっても充実していたフランス旅行での思い出についてお聞きします。お楽しみに!
(第3回につづく)
にしうら染
サイト: http://sen.hiho.jp/sensyoku/
Twitter: https://twitter.com/_some
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Editor | 三輪 穂乃香
OBIKAKE編集部所属。
Writer | naomi
採用PR・企業広報職、Webメディアのディレクターなどを経て、アート&デザインライターに。
作品と同じくらい魅力的な、作家の人となり・ストーリーも伝えたくて書いてます。
好きなもの・興味関心と守備範囲は、古代文明からエモテクのロボットまでボーダーレスです。