Be-dan

宍戸さんが「3331 Arts Chiyoda」で働くようになったきっかけとは?(3/4)

2020.7.20

今月のBe-danでは、「3331 Arts Chiyoda(以降、「3331」と表記)のジェネラルマネージャー宍戸遊美(ししど ゆうみ)さんにインタビュー!

 

第2回では、宍戸さんの活動について教えていただきました。

続く第3回では、3331のお仕事に興味を持ったきっかけアートに対する考え方について詳しくお聞きしました!

 

宍戸さんが「3331 Arts Chiyoda」で働くようになったきっかけとは?(3/4)

 

―宍戸さんが3331のお仕事に興味を持ったきっかけを教えてもらえますか?

 

3331統括ディレクターの中村政人からのアドバイスがあったからだと思います。自分がやりたいことをやりきるスキルがあるかどうか、それがまだわからない若かった時に、「自分のやりたいことだけに絞れ」と言われて、確かにそうだなと思い、この仕事に興味を持ちました。

 

―3331のお仕事をやりたいという方も多そうですね!

 

やはり多いですね。立ち上げてから半年経過した時に求人募集をしたら、約100人の応募がありました!今はだいぶ落ち着いてきましたが、2010~2013年くらいまではすごい倍率でした。

面接する側自身も作品制作やプロジェクトに携わっている場合が多いので、応募者の方が作品のポートフォリオを出すと、「いいねいいね、つくってるね」と、面接そっちのけになってしまったこともありました(笑)。一緒に3331を作っていきたいというマインドが強いので、やはりそういう人たちが今のスタッフになっています。

こういう文化施設では、社員として雇用している場所がとても少なかったり、資格の有無が前提だったりするので、アートを軸にさまざまな背景や知識・スキルを持った人たちが働いている3331は、アートの現場として貴重なのではないかと思っています。

 

宍戸さんが「3331 Arts Chiyoda」で働くようになったきっかけとは?(3/4)

 

―宍戸さんが最初にアートに関心を持たれたのは、いつ頃からなのですか?

 

中学生の頃でした。本格的に絵を描き始めたのは高校に入ってからです。プロの芸術家になりたくて、美大受験のためにアトリエに通っていました。

 

―いつ頃からアートプロジェクトに興味を持たれたのですか?

 

大学受験の時でした。そこで、決められた時間フォーマットで、決められたものを描くという絵の描き方が自由ではないなと感じていました。

それがきっかけですね。また学生時代は「作品を終わらせたくない」とも考えていました。作品が終わらずに継続した状態のものをなんと呼ぶのか、先生方と話した時「それはアートプロジェクトでは」と教えていただき、アートプロジェクトの方へ進みました。

 

―絵画からアートプロジェクトへの移行は、相当な覚悟があったのでは?

 

ありました。そのために作品も作っていました。絵画作品との決別というか、そういったものを自分なりに作り終えてから、アートプロジェクトに踏み込もうと強い決意をもっていました。

 

―2013年に3331で個展を開催されていましたね。

 

そうですね。2013年に開催した個展「レインボーレーン」は、3331のある神田五軒町界隈で、戦前から住む2人の男性からお話をうかがって制作した作品です。

 

宍戸さんが「3331 Arts Chiyoda」で働くようになったきっかけとは?(3/4)

 

それまで見ている時間の中で、2人の好きなものや、どのように生きてこられたのか、また現在はどのような生活をされているのかということを、私自身が興味を持ち始める瞬間までじっくり待ってから、取材を開始しました。

 

―どのくらいの期間で作られてたのですか?

 

作り始めると早くて、半年ほどで仕上げました。撮影やインタビューは、私にとって絵筆を動かすようなものに近い感覚がありました。なので、エネルギーを溜め込んで、一気にワッと発散するような制作方法なのかもしれないです。あとは、取材時に録音した音声を繰り返し聞きながら、構成を考えていきました。

 

―宍戸さんのようなお仕事を目指す方へのアドバイスをお願いします!

 

宍戸さんが「3331 Arts Chiyoda」で働くようになったきっかけとは?(3/4)

 

作品は完成させたらそれで一旦は終着すると思います。しかし、私たちが向き合っているアートプロジェクトは、その着地点の先へ続いていくためにどうするべきか考える必要があります。自分の体力モチベーションも維持し続けなければならないので、ペース配分が大切だと思います。

また、何事も楽しく取り組めることができる人が向いていると思います。どの仕事もそうですが、なかなか認めてもらえなかったり、思っていたことが実現できないなど、辛いこともたくさんあります。それでも目の前の仕事に一生懸命取り組み、楽しそうにできるかということがとても大事だと考えています!

 

お話を聞き、宍戸さんは新しい形で文化・芸術に関わるお仕事をされていると感じました。

第4回目は、ここでお話に上がったアートプロジェクトのおすすめの見方を教えていただきます。次回のBe-danもお楽しみに!

(第4回に続く)

 

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Writer | 齋藤 久嗣

脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。

首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive

 

Editor | 静居  絵里菜

OBIKAKE編集部所属。

廃校を活用したユニークな文化施設!展覧会も開催されているので、今度ゆっくり見に行きたいです♪

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