Be-dan
2019.8.12
OBIKAKE編集部がこの秋大注目の公演「グレの歌」。
第3回では、約400名の大編成による公演での演奏を担当する「東京交響楽団」のアーティスト達についてたっぷりお聞きしました。
最終回は、引き続きミューザ川崎シンフォニーホールの広報・前田明子さんに、「グレの歌」の一番の注目ポイントと、とっておきの公演の楽しみ方をお聞きします!
―「グレの歌」で、前田さんが特にオススメしたい一番の「聴きどころ」を教えていただけますか?
まずオススメしたいのは、第1部冒頭の「愛の邂逅」を表現した、夕暮れから夜に変わっていくパートですね。許されない関係だった2人の逢瀬はいつも「夜」でした。
日が暮れると彼らは森のなかで密会を重ねるのですが、その情景がリアルに思い浮かぶような第1部のパートがロマンチックで本当に好きです。
そこだけに「愛」の真実があるんです。
あとは、最後の曲もオススメです。神への怒りに心を支配され、闇夜の中で暴れまわるヴァルデマールですが、夜が明けて最後に太陽が昇ってきた瞬間に、大自然の力に癒やされて救われるんです。
まさに楽曲のフィナーレにぴったりな劇的なラストといえます!音楽だけで、ここまで神々しく日の出を表現できるのはただただ感動ですよ。
―しかも、圧倒的に音響が良いミューザ川崎シンフォニーホールで聴けるのも素晴らしいですよね。
このホールが良いのは、残響が鳴り過ぎないので、とてもクリアな音響が楽しめるところです。400名の巨大オーケストラが鳴らす大音量でも、見事に受け止めてくれることでしょう!
さらに、「ヴィンヤード型」という360度どの席からも鑑賞できる座席配置なので、客席とオーケストラの距離が近いのもポイントです。
―実際は凄く大きいけれど、どこから観ても近くに感じるということなんですね。
初心者にオススメの座席はありますか?
全体的にどこもよく見えるのですが、初めて座るのであれば、2階席がオススメです。音もバランスよく聞こえるし、より広くステージが見渡せますので。
通の方には意外にも4階席が好まれるんですよ。
客席からステージは遠くなりますが、天井に反響した音と、正面から聞こえる音がちょうどブレンドされる場所なんです。
―クラシックのコンサートのオススメの楽しみ方などはありますか?
せっかくですから、ちょっといいレストランに行くくらいのお洒落な格好で来ていただけると、気分が上がって良いですよ。
コンサート開始前や、第1部と第2部の間の休憩時間には、ドリンクコーナーでワインやビールなどのお酒も楽しめますし、ショップでは数量限定のオリジナルグッズを準備してお待ちしています。
こちらに初心者向けの「ホールでの過ごし方」(リンク:https://www.kawasaki-sym-hall.jp/news/pdf/muza2017guide.pdf)も用意していますので、行きの電車の中などで軽く目を通してからお越しになると、よりコンサートを楽しめますよ!
―最後に、OBIKAKE読者のアートファンに対して、「グレの歌」のとっておきの楽しみ方を教えてください!
「グレの歌」は全部で2時間以上かかる長丁場なので、音楽に集中するだけだと眠くなるかもしれません。
だから、聞きながら心の中に思い浮かぶイメージを楽しむのはどうでしょうか。美術館で一枚の絵と向かい合った時、心の中に様々な思いや情景、考えなどが思い浮かぶことがありますよね。
クラシック音楽を聴くときも同じだと思うんです。コンサートは自分の過去の経験や感情などを自由に静かに心の中で発散できる場でもあるんですよ。
ぜひ、音楽に耳を傾けながら、自分の中で情景や色彩などのイメージを楽しんでみてください。
私はよく「紫」や「青」など、特定の「色」が頭に思い浮かんでは消えていくんです。
だから、そういった他の感覚のことなども考えながら聴くといいかもしれません。ぜひ、いろいろな楽しみ方で「グレの歌」を満喫していただければと思います。
実は、おかげさまで既に半数近くの席が売れまして!
滅多に演奏されない非常に大掛かりな公演なので、良い席はぜひお早めにお買い求めくださいね!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ミューザ川崎シンフォニーホール
開館15周年記念公演
シェーンベルク「グレの歌」
※日本語字幕あり
2019年10月5日(土)15:00開演
2019年10月6日(日)15:00開演
(各14:15開場/途中休憩1回/17:15終演予定)
主催:川崎市、ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市文化財団グループ)
共催:公益財団法人 東京交響楽団
後援:オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム
With kind support of the Arnold Schoenberg Center, Vienna
グレの歌公式ホームページ
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/gurre/
★ミューザ川崎シンフォニーホールをフォロー
公式HP(http://www.kawasaki-sym-hall.jp/)
https://twitter.com/summer_muza
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Writer | 齋藤 久嗣
脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。
首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive)
Editor | 三輪 穂乃香
OBIKAKE編集部所属。のんびりやってます。