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あなたにとって「美術館」とはどのような場所ですか?
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2019.8.26

いよいよ最終回となった東京都写真美術館学芸員・桝田言葉さんのインタビュー。

物心ついたころから美術に触れて学び、学芸員になった桝田さんは、美術館について特別な思いをお持ちです。そんな桝田さんに、あらためて「美術館の魅力」や、アートの楽しみかたをお聞きしました。

第1回第2回第3回

 

―桝田さんは、これまでも色々なアートを個人的に楽しまれていると思います。「アートの楽しみかた」について教えていただけますか?

 

学芸員になる前、色々な美術館で教育普及活動や、「対話型」の作品鑑賞に関わっていた経験から、美術館では一人で鑑賞するのもよいですが、誰かと鑑賞すると、楽しみや視点がグッと広がることを知りました。なのでぜひ、友人や家族など身近な人と一緒に同じ作品を楽しむことをオススメします。自分とは全く違う視点で作品を見ている人の感想を通して、作品の思わぬ魅力に気づくことがあります。別の人の目や考え方を共有するような見方も楽しいのではないかなと思いますね。特に東京都写真美術館は、恵比寿ガーデンプレイスというお洒落なエリアにあります。美術館を出た後、カフェやレストランで一緒の時間を過ごすのもとても素敵ですよね。  

 

 

 

 

―みんなで鑑賞体験を共有するということですか!

 

そうです。実は当館のプログラムでも、他の鑑賞者と対話を交えながら鑑賞を楽しむ「対話型作品鑑賞会」というプログラムを用意しています!

いわゆる通常のギャラリートークのような作品解説ではなく、担当学芸員は鑑賞のガイド役を務めています。「何か気がついたことはありますか?」「この作品の中に何が見えますか?」など、学芸員が質問を投げかけ、鑑賞者のみなさんと対話しながら作品を観ていくので、いつもとは違う鑑賞体験が味わっていただけるかと思います。もしご興味があれば、是非参加してみてくださいね。 

 

東京都写真美術館

教育普及プログラム記録集

 

 

 

―面白そうなプログラムですね! それでは最後の質問になるのですが、桝田さんにとって、美術館とはどういう場所ですか?

 

一言で表現するのは難しいのですが、私にとって美術館とは「日常」でしょうか。学芸員としてお仕事をしていますし、休みの日も自分の目を養うために他の美術館に足を運んでいます。私は美術館という場所にすごく親しみを感じますし、美術館で観られる作品や、建物の内外が持つ独特な佇まいや雰囲気…そういうもの全てがすごく好きで、ずっとそばにいたいと考えていました。その中にずっといられる仕事に就けて本当に幸せです! 

 

―東京都写真美術館以外だと、どういうところで鑑賞されているんですか?

 

例えば仏像を観に上野に行ったり、絵画や写真に限らず、さまざまなものを観に、あらゆるところに行きます。遠くの美術館に足を運ぶこともあって、北海道、青森、愛知、金沢、瀬戸内など日本全国どこへでも行っています。旅行のついでに美術館に行くというより、まずメインの目的が美術館で、旅行はそのついでという感じですね(笑)。

 

―最後に、OBIKAKEの読者に桝田さんが担当された「TOPコレクション イメージを読む 写真の時間」で、一番のおすすめや見どころを改めて教えていただけますか?

 

今回の展覧会は、写真というメディアに関わる中で、私が不思議に思ったことや発見したこと、驚いたことからコンセプトを練り上げていった展覧会です。著名な作家のシリーズも多数展示されます。写真が好きな方や詳しい方、もちろん初心者の方も、幅広く楽しんでいただけたら嬉しいです。欲張りではあるんですが、時間というものは誰しもが関わりあるものですし、あらゆる方に届くような展覧会だといいなと思っています! 

 

 

いかがでしたか?

今回インタビューにご協力いただいた、桝田言葉さんの担当された 「TOPコレクション イメージを読む 写真の時間」は、好評開催中です!

この機会にぜひ、東京都写真美術館へ遊びに行ってみてください!

 

 

 

東京都写真美術館

8/10~11/4 「TOPコレクション イメージを読む 写真の時間」

サマーナイトミュージアム特別企画「対話型作品鑑賞会」

2019年8月23日(金) 18:00~
参加者で対話を交えながら作品を鑑賞します。

※作品解説ではありません。
本展チケット(当日消印)をご持参のうえ、3 階展示室入口にお集まりください。

公式ホームぺージ:https://topmuseum.jp/

 

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Writer | 齋藤 久嗣

脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。

首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive

 

 

Editor | 三輪 穂乃香

OBIKAKE編集部所属。のんびりやってます。

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