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アート好きの人が集まる!6次元ってどんな空間?(3/4)

2019.4.15

第3回:アート好きの人が集まる「6次元」ってどんなカフェなの?

 

美術鑑賞歴30年。アートとの付き合いはまさに「ライフワーク」です、と言うナカムラクニオさん。そんなナカムラさんの活動拠点であるブックカフェ「6次元」は文化人の集う中央線線、荻窪にあるアートファンのための秘密基地。美術書や文芸書、骨董品などで埋め尽くされた店内は、隠れ家のような心地よさ。インタビュー第3回では、このブックカフェ「6次元」について伺いました。

 

 

—「6次元」って面白いネーミングですよね。どういった意味があるんですか?

 

 

 

いつもは「異次元空間みたいに、いろいろな人やものが集まるカフェを目指している」と答えていますが、「6次元」という名前は、2次元の平面的な情報を、3次元に立体化するという願いが込められています。「情報」を「体験」に変換するイメージです。「1×2×3=6次元化」するという発想で、生産する1次産業、加工する2次産業、流通させる3次産業の連携による、「新しい場」を作り出せたらいいなと思っています。

 

 

 

—確かに!凄くミステリアスな感じもします。今「6次元」には看板も出していないんですね?

 

 

 

そう。余計な案内はしないし、電話番号も載せていません。その方がミステリアスな大人の「隠れ家」的な感じがしていいと思っています。来る人が「どこにあるのかな?」と見つける楽しみもあります。

 

 

 

 

—ブックカフェ「6次元」では「人をつなぐ空間作り」を何よりも重視しているとお聞きしました。

「6次元」は、どのような活動をされているんですか?

 

 

 

ここでは「人と人をつなぐ空間作り」をしています。「都市型茶室」と呼んでいて、サロン的な空間だと思っています。週3~4回くらいのペースで、その都度テーマを決めてワークショップやトークイベントなどを開催しています。アートや書籍の出版記念イベントが多いですね。最近では、割れてしまった陶磁器を修復する金継ぎ講座や美術講座などが中心です。自分としては、「立体的な本」を作っているような感覚ですね。

 

 

 

—楽しそうなイベントが満載ですね?

 

 

 

モノや情報が溢れかえっている今の時代こそ、こうした「体験型」イベントが求められていると思います この狭い空間にいると、初めて出会った知らないお客さん同士が共通の「体験」を通じて仲良くなれるんです。また、僕自身もあえて初対面の専門家同士をここで引き合わせたりとかします。自分自身も「6次元」を通じて、会いたかった人に会うことができました。これからも居心地が良く、学べる『たまり場』を作っていきたいですね。それには法則がありまして……。

1. 人が集まる場所に、人は集まる。

2. 夢が見られる場所に、人は集まる。

3. いいものがある場所に、人は集まる。

4. 安心で快適な場所に、人は集まる。

5. 自分のためになる場所に、人は集まる。

6. 自分を認めてくれる場所に、人は集まる。

 

こういうことだと思っています。そして、たまり場作りで大切なのは、場が整ってきた時、異質なものを取り込むことですね。適度な距離感を保ちつつ、心地いいたまり場を作っていきたいですね。

 

 

第4回へ続く

 

 

ナカムラクニオ

1971年東京生まれ。アートディレクター、山形ビエンナーレキュレーター、荻窪「6次元」店主。著書に『人が集まる「つなぎ場」のつくり方――都市型茶室「6次元」の発想とは』『さんぽで感じる村上春樹』『パラレルキャリア』『金継ぎ手帖』『猫思考』『村上春樹語辞典』『はじめての金継ぎBOOK』など。「こじらせ美術館」連載中。

 

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Writer | 齋藤 久嗣
脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。
首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive)

Editor | 松栄 美海
OBIKAKE編集部。学生時代は美大で彫刻を学ぶ。IT企業を経て昨年9月よりWEB担当として入社。
OBIKAKEの立ち上げを担当。編集や撮影について日々勉強中。

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